懸念点は次期リーダーの不在
例えば、アタッカー陣ではインターハイ後に主力のFW小池直矢(3年)が不在。オランダの強豪・フェイエノールトのU-17チームでトレーニングを行なっており、1か月ほどチームを留守にしている。そのため、選手たちはここぞとばかりに、並々ならぬ意欲を持って各自がアピールに努めていた。
インターハイの決勝でゴールを決めたエースの高足はもちろん、確固たる地位を築いているとはいえない選手たちが精力的にプレーを続けている。エアバトルに強いFW山本颯太(3年)や俊敏性に長けたMF堀川直人(3年)も紅白戦で上々のプレーを見せており、とくに堀川はコーチ陣が思わず「お!」と声を挙げるようなシュートを叩き込んで存在感を示した。
夏のフェスティバルで苦戦を強いられたなかで、選手たちが新たな刺激を受けてさらなる高みを目ざしているのはチームにとってプラスの材料だろう。
インターハイの決勝でゴールを決めたエースの高足はもちろん、確固たる地位を築いているとはいえない選手たちが精力的にプレーを続けている。エアバトルに強いFW山本颯太(3年)や俊敏性に長けたMF堀川直人(3年)も紅白戦で上々のプレーを見せており、とくに堀川はコーチ陣が思わず「お!」と声を挙げるようなシュートを叩き込んで存在感を示した。
夏のフェスティバルで苦戦を強いられたなかで、選手たちが新たな刺激を受けてさらなる高みを目ざしているのはチームにとってプラスの材料だろう。
だが、和倉ユースで残した課題が解決されたわけではない。それは徳永、MF根津元輝(3年)に続くリーダーがチームにいない点だ。
今年のチームはピッチ内外において個性豊かな面々が揃っており、彼らをキャプテンの徳永がまとめ、副キャプテンの根津がサポートする形を取ってきた。その一方で徳永と根津に頼りすぎる部分があり、先の和倉ユースではチームの課題を露呈。徳永と並んでチーム内で影響力を持つ根津が、大会前から負っていた怪我のリハビリに専念するため不在となったからだ。
逆に言えば、他の選手がリーダーシップを発揮する絶好の機会でもあった。選手たちも今まで以上に自覚を持ってプレーする意識を持っていたが、それでも徳永がひとりでチームをまとめる状況に。徳永自身もメンバーの意識を変える機会になると考えていたが、思うようにいかず頭を悩ませていたという。
「自分が言わないでやったほうがいいと感じる試合もあった。でも、口にしないで『どうなんだろう?』と思うこともあったんです」
選手たちもこのままでいいとは思っていない。積極的に意見交換ができるようにするべく、そうした存在が一人でも多く出てくるべきだと考えている。幸いにも和倉ユースから戻ってきた後のトレーニングでは選手たちの自覚が高まり、ポジティブな声が出るようになってきた。改善の余地はあるが、継続して取り組んでいけば、チームがより高いレベルに昇華するはずだ。
ほかのチームから追われる立場となり、プレッシャーも今までとは比べモノにならないだろう。だが、その壁を乗り越えなければ、夏冬連覇の偉業は達成できない。ふたたび険しい山を登り始めた“前育”の挑戦はまだ始まったばかり。冬に向け、今は一歩ずつ前に進んでいく。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
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今年のチームはピッチ内外において個性豊かな面々が揃っており、彼らをキャプテンの徳永がまとめ、副キャプテンの根津がサポートする形を取ってきた。その一方で徳永と根津に頼りすぎる部分があり、先の和倉ユースではチームの課題を露呈。徳永と並んでチーム内で影響力を持つ根津が、大会前から負っていた怪我のリハビリに専念するため不在となったからだ。
逆に言えば、他の選手がリーダーシップを発揮する絶好の機会でもあった。選手たちも今まで以上に自覚を持ってプレーする意識を持っていたが、それでも徳永がひとりでチームをまとめる状況に。徳永自身もメンバーの意識を変える機会になると考えていたが、思うようにいかず頭を悩ませていたという。
「自分が言わないでやったほうがいいと感じる試合もあった。でも、口にしないで『どうなんだろう?』と思うこともあったんです」
選手たちもこのままでいいとは思っていない。積極的に意見交換ができるようにするべく、そうした存在が一人でも多く出てくるべきだと考えている。幸いにも和倉ユースから戻ってきた後のトレーニングでは選手たちの自覚が高まり、ポジティブな声が出るようになってきた。改善の余地はあるが、継続して取り組んでいけば、チームがより高いレベルに昇華するはずだ。
ほかのチームから追われる立場となり、プレッシャーも今までとは比べモノにならないだろう。だが、その壁を乗り越えなければ、夏冬連覇の偉業は達成できない。ふたたび険しい山を登り始めた“前育”の挑戦はまだ始まったばかり。冬に向け、今は一歩ずつ前に進んでいく。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
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