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異例のW杯開幕日変更はなぜ起きたのか? “3番目の試合”を希望していたはずのカタールが突然の「心変わり」

カテゴリ:国際大会

リカルド・セティオン

2022年08月12日

「19時ならば、観客も多いし視聴率も高くなる。それに…」

 今回の出来事で、カタールの大会組織委員会の知り合い(名前は伏せさせてもらう)に経緯を尋ねると、彼は「実は…」と前置きしながら、思わぬ真相を教えてくれた。カタールは何もわからず3試合目を引き当てたのではなく、最初から開幕日の第3試合を希望していたというのだ。その理由はこうだ。

「19時ならば、観客も多いし視聴率も高くなる。それにセレモニーで打ち上げる花火も映える」

 つまり彼等には視聴率とセレモニーの見栄えの方が、大会最初のボールを蹴ることよりも大事だったのだ。

 だが、ここにきてやはり開幕戦をプレーすることにも欲が出てきた。そこですべての希望が叶う1日前の19時からプレーしたいと言い出したというわけだ。そうすれば、開幕戦をプレーし、ゴールデンタイムにプレーでき、セレモニーも映える。彼らはすべてにおいて満足しなければ気が済まない。
 
 このリクエストを受けたFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は世界の6つのサッカー連盟のトップとFIFAの2人の副会長の計8人と話し合いをしたうえで、希望を受け入れることで決まった。金持ちの開催国には逆らわない方がいい。

 これによって一番困るのは、エクアドル代表とそのサポーターだろう。選手たちは、そうでなくともタイトな準備期間が一日少なくなってしまうし、サポーターは飛行機やホテルを取り直す必要もあるかもしれない。

 また同じA組のオランダ対セネガル戦も、21日の13時から19時に時間が変更された。変更対象となったこれらのチケットを持っている人たちには、リクエストがあれば払い戻しに応じるということで、その際ちょっとした慰謝料も支払われるとされているが、いまのところ定かではない。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。

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