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【孤高のサムライ戦記|田中亜土夢】ボランチで新境地を開拓。走力も健在の34歳は、日本とフィンランドの架け橋に

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2022年08月06日

希望になったのが、新たなポジションへの挑戦

2015年に欧州初挑戦。当時は攻撃の大黒柱として活躍した。(C)Getty Images

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 再び、ヘルシンキに戻った田中はサウナ好きにちなんで背番号を37に変更し、古巣凱旋を果たそうと意欲満々だったが、コロナ感染拡大でチームが1か月間の活動停止に陥ってしまう。リーグ戦も短縮されるなど、混乱が続いたが、2020年は全22試合中19試合に出場し、5ゴール。本人も納得いく働きができたという。

「この時点でHJKとの契約は2021年7月までだったんですが、2021年に賭ける気持ちが強かった。そこで2022年の年末まで延長し、より高い領域に上り詰めたいと考えたんです。ところが、その矢先の昨年7月のマルメ戦(CL予選)で膝を負傷してしまった。全治3か月と診断され、長期離脱を強いられました。

 結局、復帰したのは10月24日のFC インテル戦。その後はリーグ3試合や、カンファレンスリーグで中村敬斗君のいるリンツとの試合にも出ました。でも自分が掲げていた『シーズン二桁ゴール』という数字には届かなかった。それには悔しさを感じました」

 予期せぬ苦しみを味わうなか、希望になったのが、ボランチという新たなポジションへの挑戦だった。負傷前の昨年5月頃からコスケラ監督から「これまでのアタッカーのポジションから一列下がってプレーしてほしい」と求められた。

 気持ちを切り替えて取り組んだところ、持ち前のボール奪取力や球際をより一層、発揮できるようになったのだ。田中にしてみれば、前橋育英高校時代以来のトライだったが、「前を向いてプレーできる分、やりやすさを感じた」という。
 
 それを2022年シーズンも継続。ここまでリーグ15試合(うち先発9試合)1ゴールという数字を残している。2015~17年に在籍した頃のような「攻撃の大黒柱」というわけではないが、コンスタントに半年間戦えているのはポジティブな要素と言っていいだろう。

「ボランチをやればやるほど、『このポジションのほうが自分に合っているのかな』と感じることが多くなってきました。それだけ面白味を感じているということだと思います。

 ボランチの醍醐味はやはり守備。相手の攻撃を止めたり、インターセプトした瞬間は快感を覚えます(笑)。読みで敵を上回る面白さはこの1年間で新たに感じたことですね。

 もともと自分はスピードがあるほうじゃないし、駆け引きや戦術眼で勝負するほう。長年の経験も生かせるんで、ここからもっともっと突き詰めていきたい。長谷部(誠/フランクフルト)さんも30代半ばからボランチ、リベロで存在感を増していった。自分もそうなれるように頑張っていきたいです」
 
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