「しごきに耐えると強くなる」の根拠はどこにも存在しない
夏にしっかりとリフレッシュできるかどうかで、身体の成長には大きな違いが出る。それを知りながら、日本サッカー協会(JFA)は依然として夏場に多種多様な大会を詰め込んでいる。8月上旬の日中は体温を超える酷暑に見舞われることもあるのに、インターハイ(全国高校総体)を勝ち抜くには、中1日で6連戦をこなさなければならない。ありがたい大会だという声をほとんど聞いたことがないが、それでもこうして世界が失笑する大会を放置している。
では夏に疲弊しながら活動している選手たちは、どうやって秋から春にかけて強度の高いプレーを続けるトップレベルに近づいていくのだろうか。高体連で常識外れの苦難を乗り越えてきた選手たちは、総じて「あの体験があったから今がある」と口にする。しかし日本人だけが「しごきに耐えると強くなる」という発言を裏づける根拠はどこにも存在しない。
サッカーは欧州を中心に回っており、それが変わる日が来るとも思えない。だから欧州と足並みの揃わないシーズンを採択していると、不利益を被るのは選手たちになる。
では夏に疲弊しながら活動している選手たちは、どうやって秋から春にかけて強度の高いプレーを続けるトップレベルに近づいていくのだろうか。高体連で常識外れの苦難を乗り越えてきた選手たちは、総じて「あの体験があったから今がある」と口にする。しかし日本人だけが「しごきに耐えると強くなる」という発言を裏づける根拠はどこにも存在しない。
サッカーは欧州を中心に回っており、それが変わる日が来るとも思えない。だから欧州と足並みの揃わないシーズンを採択していると、不利益を被るのは選手たちになる。
Jリーグから夏場に欧州へ移籍すれば、オフなしでキャンプに突入する。代表戦での移動も合わせれば、コンディション維持の難易度はチームメイトのライバルたちの比ではない。また欧州は欧州の都合で、シーズンが佳境に入る春先には代表戦を避けるし、逆にJリーグの終盤にかけては毎月組み込んで来る。今では日本代表もほぼ欧州組になったわけだが、もしJ1の上位争いを繰り広げる主力が代表入りすれば、この3か月間は代表戦、国内カップ戦、さらにはACLのGLと負荷の高い試合ばかりが目白押しになる。
しかし、それでもACLのシーズン移行程度では、Jリーグの変革を促す理由としては脆弱だろう。実際、Jリーグ内で直接被害を受けるチームは限定的で、クラブ・ワールドカップの開催も4年に1度の構想に変わっており、アジアを制す価値も揺らぎつつある。過去にJFAは、冬にW杯が開催される今年から「秋春制」への移行を提案した。だが圧倒的な数の論理で否定されている。
いつかは温暖化などの理由で「秋春制」への移行を迫られる時が来るのかもしれない。現代の戦術的な変化を考えても、夏の開催や活動は「強化」「興行」の両側面からデメリットは少なくない。だが変革には「出来る」「やり遂げる」ことを前提にして、強烈なタクトを揮うリーダーが要る。残念ながら、そういう牽引車が唐突に現れるとは思えない。
文●加部究(スポーツライター)
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いつかは温暖化などの理由で「秋春制」への移行を迫られる時が来るのかもしれない。現代の戦術的な変化を考えても、夏の開催や活動は「強化」「興行」の両側面からデメリットは少なくない。だが変革には「出来る」「やり遂げる」ことを前提にして、強烈なタクトを揮うリーダーが要る。残念ながら、そういう牽引車が唐突に現れるとは思えない。
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