「涼の声が僕に点を取らせてくれた」
試合が再開し、高足はこの言葉を信じて前を向いた。だが再開後のファーストタッチからもまだプレーの硬さを感じた。「応えなきゃ」と思うあまり、焦りがさらに生まれていくのが分かった。
その瞬間だった。少し下を向いていた高足の耳に大きな声が届いた。
「善!善!信じているぞ!みんな信じているぞ!!」
ハッとして顔を上げると、真剣な眼差しを向けるキャプテンの徳永涼(3年)の姿があった。自分を信じきったその真っ直ぐな視線に高足の心は奮い立ったという。
「涼はずっと攻守においてハードワークをしてくれていて苦しいはずなのに、僕の心に響く声をかけてくれた。あの瞬間、もういろいろ考えるのはやめようと思いました。もう仲間と自分を信じてごちゃごちゃ考えずに、ひたすらにゴールを目ざしてやり切ろうと思いました」
自分が点を取る、取らないではなく、チームが勝つことのみを考えてプレーする。雑念が一切消えた高足の姿を見て、準決勝までの全試合で高足を後半途中でベンチに下げていた山田監督も、交代をせずにピッチに残し続けた。そして、ついに待望の瞬間が訪れたのだった。
「相手をかわした瞬間、コースがどうとか一切考えずに思い切り足を振り抜こうと思った。完全に気持ちで打ちました」
その瞬間だった。少し下を向いていた高足の耳に大きな声が届いた。
「善!善!信じているぞ!みんな信じているぞ!!」
ハッとして顔を上げると、真剣な眼差しを向けるキャプテンの徳永涼(3年)の姿があった。自分を信じきったその真っ直ぐな視線に高足の心は奮い立ったという。
「涼はずっと攻守においてハードワークをしてくれていて苦しいはずなのに、僕の心に響く声をかけてくれた。あの瞬間、もういろいろ考えるのはやめようと思いました。もう仲間と自分を信じてごちゃごちゃ考えずに、ひたすらにゴールを目ざしてやり切ろうと思いました」
自分が点を取る、取らないではなく、チームが勝つことのみを考えてプレーする。雑念が一切消えた高足の姿を見て、準決勝までの全試合で高足を後半途中でベンチに下げていた山田監督も、交代をせずにピッチに残し続けた。そして、ついに待望の瞬間が訪れたのだった。
「相手をかわした瞬間、コースがどうとか一切考えずに思い切り足を振り抜こうと思った。完全に気持ちで打ちました」
ゴールが決まった瞬間、高足は何度もユニホームを引っ張って、中心に刻まれた10番をアピールしながらベンチメンバーの待つタッチラインまで全力疾走。たちまち歓喜の輪ができた。
「みんなから『ありがとう』と言われましたが、もう感謝の気持ちしかありませんでした。監督、コーチ、チームメイト、そしてあの涼の声が僕に点を取らせてくれた。みんなのゴールだと思います」
高足の恩返しはこれで終わったわけではない。4位につけるプレミアEASTでゴールを量産し、真の日本一を狙うことはもちろん、選手権予選を突破し、2度目の選手権優勝を手にするために全力を尽くさないといけない。
「もう迷いはありません。これからは自分と仲間をもっと信じてゴールを狙っていきたいと思います」
名門タイガー軍団の背番号10は晴れやかな表情で徳島の地をあとにした。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【PHOTO】終了間際に劇的決勝弾!前橋育英をインターハイ優勝へと導いた高足善を特集!
【全国高校総体PHOTO】帝京0-1前橋育英|終了間際に高足善が劇的弾!前橋育英が13年ぶり2度目のインターハイ制覇!
【全国高校総体PHOTO】13年ぶりのインターハイ制覇に喜び爆発!激闘を制し笑顔溢れる前橋育英を特集!
「みんなから『ありがとう』と言われましたが、もう感謝の気持ちしかありませんでした。監督、コーチ、チームメイト、そしてあの涼の声が僕に点を取らせてくれた。みんなのゴールだと思います」
高足の恩返しはこれで終わったわけではない。4位につけるプレミアEASTでゴールを量産し、真の日本一を狙うことはもちろん、選手権予選を突破し、2度目の選手権優勝を手にするために全力を尽くさないといけない。
「もう迷いはありません。これからは自分と仲間をもっと信じてゴールを狙っていきたいと思います」
名門タイガー軍団の背番号10は晴れやかな表情で徳島の地をあとにした。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【PHOTO】終了間際に劇的決勝弾!前橋育英をインターハイ優勝へと導いた高足善を特集!
【全国高校総体PHOTO】帝京0-1前橋育英|終了間際に高足善が劇的弾!前橋育英が13年ぶり2度目のインターハイ制覇!
【全国高校総体PHOTO】13年ぶりのインターハイ制覇に喜び爆発!激闘を制し笑顔溢れる前橋育英を特集!