• トップ
  • ニュース一覧
  • 森保Jが探していた答えを、マリノス組中心のA代表が提示。水沼はラストピースになり得るか

森保Jが探していた答えを、マリノス組中心のA代表が提示。水沼はラストピースになり得るか

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2022年07月28日

制約だらけのE‐1を上手に戦った森保監督には一定の評価が必要

E-1で日本を4大会ぶり2度目の優勝に導いた森保監督。面白い種まきができたのではないか。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

画像を見る

 相手のマークを受けにくい後方からの、小池の長駆ランニングは、最高のコンビネーションゴールを見せた72分の3点目の起点にもなり、非常に効いていた。

 こうすればいいんだと、A代表本隊への強烈なメッセージにもなったのではないか。1対1に頼るばかりで変化のないサイド攻撃に三笘薫が苦言を呈し、あるいは東京五輪後に田中碧が、日本は2対2、3対3になったときにパワーアップできていないと問題点をコメントしていた。

 今回のマリノス組中心のA代表は、その答えを提示したと思う。彼らは間違いなく、2対2、3対3でパワーアップした攻撃を見せていた。探していた答えは国内、Jリーグの中にあったわけだ。

 この分厚いポゼッションの連係プレーが、ドイツやスペインを相手に有効かと言えば、もちろん疑問符は付く。90分通して、というわけにはいかないだろう。ただ、時間帯に応じて必要になるのは間違いない。実際、6月のブラジル戦でも後半は必要だった。大きなヒントになったのではないか。

 また、マリノス組中心のA代表は長所の先鋭化だけでなく、韓国の狙いにも対応した。ビルドアップを3枚に変形する韓国に対し、日本は主に右サイドハーフの水沼が出て、プレス枚数を噛み合わせていたが、前半は韓国が、その水沼の裏へSBを送り込み、大きな対角のサイドチェンジで打開するシーンが目立った。小池は相手ウイングとSBに対し、1対2の数的不利を強いられてしまう。再現性が高かったので、おそらくパウロ・ベント監督が仕組んだ狙いの一つだろう。
 
 日本は後半、こうした長いパスの出処に、厳しくプレッシャーをかけることが意識されていた。行き切れないときは、相馬が出てプレスを噛み合わせ、水沼は下がってスペースを埋めるなど、相手の狙いを意識した守備ができていたと思う。

 サイドチェンジ以外にも、前半は岩田と藤田が2対2でマッチアップする相手インサイドハーフに寄り過ぎて、サイドからFWへ長い縦パスを付けられる場面も多かったが、後半は立ち位置を意識し、縦パスへの制限が効いた。長所の先鋭だけでなく、韓国の狙いへの対応力も見せたのは良かった。

 このチームを編成した森保一監督にも、一定の評価は必要だ。制約だらけのE-1選手権を、これだけ上手に戦った監督は他にいなかったのではないか。その時代の好調Jクラブを中心に編成するマネジメントは、この大会に非常に合っている。もちろん、ワールドカップに向けた成果が出たわけではないので気は早いが、思った以上に面白い種まきができたのではないか。

 カタール・ワールドカップは登録メンバーが23人から26人に広がっているのもポイントだ。森保監督はこのE-1選手権から誰をピックアップするのか。相馬や町野修斗、藤田といった選手も気になるが、常に先頭に立って声を張り上げ、このチームの一体感を生んだと評価されている水沼の存在も捨てがたい。サイド攻撃の司令塔としても、実はラストピースになり得るのではないか。

 今後のメンバーが楽しみになってきた。

取材・文●清水英斗(サッカーライター)

【PHOTO】運命の日韓戦!選手を後押しする日本代表サポーターを特集!

【PHOTO】国内組の意地を見せE-1優勝!笑顔爆発のサムライブルーを大特集!

【E-1選手権PHOTO】日本3ー0韓国|「国内組」森保ジャパン3発快勝で9年ぶりE-1制覇!韓国に3年前の雪辱晴らす勝利
 
【関連記事】
「韓日戦でなぜ燃えない!」日本に惨敗した韓国代表の“意外な変化”に母国メディアが危機感!「我々の優位性は消え去った」
「俺もいるぞ!」カタールW杯行きのアピールに成功したのは3人。10年ぶり代表復帰の宮市亮は悔しい結果に【E-1通信簿】
「豊田の大炎上!」日本戦で0-3惨敗の韓国代表に母国メディアが怒り心頭!「枠内シュート1本の屈辱よ」
「0-3は“デフォルト”」「優劣完全に逆転」韓日戦惨敗に韓国メディアは辛辣。指揮官の戦術的敗着も糾弾
「女性の場合、試合前の“夜の営み”は普通。でも…」ロシア女子代表GKの赤裸々発言が大反響!過去には「最も美しい20人のアスリート」に選出

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ