浮気現場をフィアンセに抑えられた〝バレンタインデーの修羅場〞
運命の歯車が狂っていく。相思相愛だったトッテナム行きを潰された本人は、ツイッターで怒りを爆発させる。当時のジェレミー・ピース会長に矛先を向け、「このクラブでは二度とプレーしない」と宣言し、実際にチームへの合流を拒否したのだった。
トニー・ピュリス監督(当時)の説得に応じ、詫びを入れてチームに戻ったものの、後に自身で明かしたように謝罪は形ばかりで本心ではなく、不満を溜め込んだままプレーに身が入らない。たった4ゴールでシーズンを終えると、結局、ここから再浮上を果たすことはできなかった。
少年時代の過酷な体験がそうさせたのか、そもそも素行が悪かった。飲酒運転を繰り返し、笑気ガスの濫用で世間を騒がせたこともある。女性関係のトラブルも絶えなかった。タブロイド紙に格好のネタを提供したのは18年の2月。婚約した直後にSNSでナンパしたモデルの女性を自宅に連れ込み、浮気を察したフィアンセにその現場を抑えられた〝バレンタインデーの修羅場〞は、笑えない醜聞だ。
トニー・ピュリス監督(当時)の説得に応じ、詫びを入れてチームに戻ったものの、後に自身で明かしたように謝罪は形ばかりで本心ではなく、不満を溜め込んだままプレーに身が入らない。たった4ゴールでシーズンを終えると、結局、ここから再浮上を果たすことはできなかった。
少年時代の過酷な体験がそうさせたのか、そもそも素行が悪かった。飲酒運転を繰り返し、笑気ガスの濫用で世間を騒がせたこともある。女性関係のトラブルも絶えなかった。タブロイド紙に格好のネタを提供したのは18年の2月。婚約した直後にSNSでナンパしたモデルの女性を自宅に連れ込み、浮気を察したフィアンセにその現場を抑えられた〝バレンタインデーの修羅場〞は、笑えない醜聞だ。
信用できない男だったと辛辣に評したのが、ストークでチームメイトだったグレン・ジョンソンだ。『トーク・スポーツ』に語った。
「何が気に入らないのか、最初からずっと反抗的な態度だった。集合時間には必ず10分遅れでやってくる。才能は間違いなかった。練習では驚くようなプレーを見せる。でも、真面目に取り組もうとはしなかった。ダメなやつは何人も見てきたが、彼がワーストだ」
このストーク時代にイングランド代表を諦め、祖国の代表にデビューした。
ズルテ・ヴァレヘムとシャルルロワでプレーしたベルギーでの2年間を経て、21-22シーズンはイングランドに戻ってシェフィールド・ウェンズデイで実質3部のリーグ1を戦った。シーズン終盤になって出番を増やし、最終的に29試合の出場で8ゴールを挙げ、昇格プレーオフ進出にそれなりの貢献を果たした。それでも、ウェンズデイでの2年目はなかった。1年契約の更新を望まれなかったのだ。
サイード・ベラヒノは8月4日で29歳になる。紆余曲折のサッカー人生は、ここからどう展開するのだろう。
文●松野敏史
※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年7月21日号より転載
【PHOTO】2022年夏の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介!
「何が気に入らないのか、最初からずっと反抗的な態度だった。集合時間には必ず10分遅れでやってくる。才能は間違いなかった。練習では驚くようなプレーを見せる。でも、真面目に取り組もうとはしなかった。ダメなやつは何人も見てきたが、彼がワーストだ」
このストーク時代にイングランド代表を諦め、祖国の代表にデビューした。
ズルテ・ヴァレヘムとシャルルロワでプレーしたベルギーでの2年間を経て、21-22シーズンはイングランドに戻ってシェフィールド・ウェンズデイで実質3部のリーグ1を戦った。シーズン終盤になって出番を増やし、最終的に29試合の出場で8ゴールを挙げ、昇格プレーオフ進出にそれなりの貢献を果たした。それでも、ウェンズデイでの2年目はなかった。1年契約の更新を望まれなかったのだ。
サイード・ベラヒノは8月4日で29歳になる。紆余曲折のサッカー人生は、ここからどう展開するのだろう。
文●松野敏史
※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年7月21日号より転載
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