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エムバペはピッチだけでなく、ビジネスでも抜群の嗅覚を発揮。マドリーへの移籍拒否で見えた狡猾な“戦略”【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2022年07月11日

マドリーが昨夏に提示した前代未聞のオファー

 エムバペの移籍を巡る騒動は、驚きの連続だった。その発端が昨夏、マドリーが2億ユーロの獲得オファーを提示したことだ。契約が残り1年を切っている選手にこれだけの巨額資金を投じるというのは前代未聞の出来事だった。しかもさらに驚くべきは、数か月後にフリーで失うリスクのあるパリが、1ユーロも受け取らずにそのオファーを拒否したことだ。

 今回がそうだったように、あの時も理由を詮索する際に一般的な解釈がなされた。欧州スーパーリーグ構想をきっかけに深まったフロレンティーノ・ペレスとアル・ケライフィとの溝や、他のクラブなら断ることができないオファーを突っぱねたカタールマネーを後ろ盾にしたパリの傲慢さなどが論じられた。

 しかし実のところは、双方が十八番とするビジネスライクな考え方を優先させた結果だった。そしてどうやら今回の交渉に関わった第3のパートもそれは同様のようだ。
 
 マドリーのオファーは、今となっては完全に理にかなっていた。昨夏がアクションを起こすタイミングだったのだ。逆にパリはオファーを拒否することによって、1年間の猶予が与えられた。言うまでもなく底なしの資金力を持つクラブだ。金策を講じる方法はいくらでもあった。マドリーもまたその時点でエムバペを獲得するための多くの可能性を失ったことを悟ったのかもしれない。

 2021年、エムバペは喜んでマドリーにやって来るはずだった。しかし2022年、最後の決断は本人に委ねられていたにもかかわらず、移籍を見送った。どの角度から分析しても、このような形での騒動の決着はエムバペの鋭いビジネス嗅覚を明示している。

 新たに3年という短期間の契約延長を結んだのもその証だ。2025年、エムバペは26歳になっている。きっとペナルティエリア内と同じく、ビジネスにおいても今以上に嗅覚を磨いてその時を迎えていることだろう。

文●サンティアゴ・セグロラ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
 
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