脳裏をかすめた、あのギリシャ戦の苦い思い出……。
苦い思い出がある。2014年のブラジル・ワールドカップのグループリーグ第2戦のギリシャ戦。前半のうちに退場者を出してひとり少なくなったことで、守りを固めてきたギリシャに対し、日本は最後まで攻めあぐね、失意のスコアレスドローに終わっている。
主導権を握り、いくら押し込んでも、単純なサイド攻撃では埒が明かない。格下のカンボジア相手にさえそうなのだから、「ギリシャのような国に守りを固められたら、余計無理なわけじゃないですか」と岡崎は考える。
だからこそのコンビネーションであり、その起点となるべく、岡崎が奮闘したのは事実だ。1トップとして、なにが自分のタスクかがクリアになった。小さくない手応えを掴むことができた。
試合前日にはこうも語っていた。
「明日は何回もパスを呼び込みたい」
それは実践できていた。最前線にただ構えるだけでなく、ひとつ降りてきて、巧みに相手のギャップに潜り込み、積極的にパスを要求する。その試みが徒労に終わる時もあれば、受けたボールのリターン先を探すのに時間がかかり、スムーズな攻撃にノッキングを起こすこともあった。足もとに収めて強引に前を向こうとして、あっさりとカットされるシーンも目についた。
わすかに枠を捉え切れなかったが、18分の左に持ち出してからの狙いすましたシュートなど、見せ場がなかったわけではない。ただ、ストライカーとして最も求められるゴールがなかった点では、期待を裏切ったと言わざるを得ない。
不完全燃焼に終わったが、光明を見出せたカンボジア戦を無駄にしないためにも、5日後に控えるアフガニスタン戦での爆発に期待したい。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
主導権を握り、いくら押し込んでも、単純なサイド攻撃では埒が明かない。格下のカンボジア相手にさえそうなのだから、「ギリシャのような国に守りを固められたら、余計無理なわけじゃないですか」と岡崎は考える。
だからこそのコンビネーションであり、その起点となるべく、岡崎が奮闘したのは事実だ。1トップとして、なにが自分のタスクかがクリアになった。小さくない手応えを掴むことができた。
試合前日にはこうも語っていた。
「明日は何回もパスを呼び込みたい」
それは実践できていた。最前線にただ構えるだけでなく、ひとつ降りてきて、巧みに相手のギャップに潜り込み、積極的にパスを要求する。その試みが徒労に終わる時もあれば、受けたボールのリターン先を探すのに時間がかかり、スムーズな攻撃にノッキングを起こすこともあった。足もとに収めて強引に前を向こうとして、あっさりとカットされるシーンも目についた。
わすかに枠を捉え切れなかったが、18分の左に持ち出してからの狙いすましたシュートなど、見せ場がなかったわけではない。ただ、ストライカーとして最も求められるゴールがなかった点では、期待を裏切ったと言わざるを得ない。
不完全燃焼に終わったが、光明を見出せたカンボジア戦を無駄にしないためにも、5日後に控えるアフガニスタン戦での爆発に期待したい。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)