安定感抜群の守備といまだ機能しない攻撃【マドリー番記者】のシーズン展望

カテゴリ:メガクラブ

パブロ・ポロ

2015年08月20日

適性の感じられないトップ下でベイルはいまだ機能せず…。

常に窮屈な状況でのプレーを強いられるトップ下というポジションで、ベイルは新境地を切り拓くことができるか。 (C) Getty Images

画像を見る

 続いてここからは、ここまでのマドリーの問題点を挙げていこう。
 
◇ベイルのトップ下
 
 攻撃陣は、いまだ本領発揮には至っていない。アイデアに欠け、ここ数年の勢いはまだ感じられない。
 
 ベニテスが施した最大の変更点は、ベイルのトップ下へのコンバートだ。指揮官はこのアイデアを進めるつもりだが、現時点ではまだ、うまくいっていはいない。
 
 最大の問題は、ベイルがこのポジションに必要な魔法のボールタッチや、タメを作るキープ力を持ってないこと。彼はよりダイレクトで、縦に強い選手であることは明らかだ。
 
 さらに、ハメス、イスコ、モドリッチに加え、ベンゼマ、さらには加入が決まったマテオ・コバチッチなど、チーム内にトップ下をこなせる選手が多くいることもこの疑問を大きくする。
 
 ベイルにはスペースが必要だが、トップ下にはそのような広大な場所はない。それでも中央でのプレーに慣れ、昨シーズン以上のプレーを見せてくれれば、コンバートは正解! となるのだが……。
 
◇揺れるゴールマウス
 
 最後に、ゴールマウスの不安も挙げなければならない。
 
 マドリーは一刻も早く、正GKを決めるべきだ。今シーズン、果たしてゴールマウスに誰が立つのか? それがまだ、誰にも分からないのだ。イケル・カシージャスの後釜というだけでも大変な責任を伴うのに、この大事なポジションは宙ぶらりんのままである。
 
 ナバスかキコ・カシージャか、あるいは移籍間近といわれるデ・ヘアか――。
 
 クラブがデ・ヘアを狙っているのは事実だが、8月31日に土壇場で加入するようなことになれば、守備陣との連係構築には、しばらく時間を要することとなってしまう。
 
 それゆえマドリーは、マンUとの交渉に、できるだけ早く決着をつけるべきである。
 
文:パブロ・ポロ(マルカ)
Pablo POLO/MARCA
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
 
翻訳:豊福晋
【関連記事】
レアル・マドリー コバチッチに電撃アプローチの舞台裏
守備の安定、ベイルのトップ下etc. 新生レアル・マドリーの準備は順調!!
熾烈を極めるポジション争い――ベニテス新体制の売りは間違いなく「2列目」だ R・マドリー「夏の仕上がりチェック」
ベンゼマとベイルが見せる「新たな顔」 R・マドリー「夏の仕上がりチェック」
ベニテス新体制のファーストインプレッションは? 【マドリー番記者】のキャンプレポ
R・マドリー「夏の仕上がりチェック」ベイルのトップ下起用は新政権の目玉にも & 16歳ウーデゴーは先発で可能性を示す|ローマ戦

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ