【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|終戦記念日をチェンマイで迎えて

カテゴリ:特集

サッカーダイジェスト編集部

2015年08月18日

「8月15日」がどんな日だったのかを思い出すために…。

戦後70年目となる今年の慰霊祭には、例年よりも多くの人々が参列したという。

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 タイでは、お酒を売るお店やレストランなどで、酒類を販売してはいけないという日(禁酒日)がある。
 
 仏教関係の祝日らしく、年に4回あると聞いている。僕がチェンマイに住み始めてからの8か月間で2回、そうした日に遭遇したのだが、なにか特別な日をじっくりと味わいながら過ごすには良い環境かもしれないな、と思ったものだ。
 
 また、タイには「タイ国歌」と「タイ国王讃歌」のふたつの“国歌”があるのだが、オリンピックなどで使われる「タイ国歌」は毎朝毎夕、街中に流れる。そしてもうひとつの「タイ国王讃歌」は、ムエタイやサッカーなどの試合前に必ず流される。
 
 こうした様々な点から、タイでは自分たちの国や宗教、民族性に誇りを持つことを大切にしているのが感じられる。
 
 そこでこんな提案をしたい。8月15日を『国民の休日』にし、酒、タバコを売っても出してもいけない、というのはどうだろう。その日、お酒を飲めない時間に『8月15日』が、どんな日だったのかを思い出し、日本人であることの誇りを感じるのである。
 
 国が変われば、すべてが変わることがある。自分自身もここタイでクラブの指揮を執り、50歳になって大きな出来事を目の当たりにしている。こうした得難い経験をこれからの監督人生にも活かしていきたい。
 
 サッカーに答えはないという。もちろん、人生にも唯一の正しい答えなどはないだろう。
 
 だからこそ、今の一瞬に全力を尽くす。その一瞬一瞬が積み重なって人生になる。過去の教訓を現在に活かし、未来へとつなげていくのはサッカーの世界でも同じだ。その一瞬一瞬の努力が積み重なって『チーム』となる。
 
 チェンマイで迎えた戦後70年目の終戦記念日は、そんなことを考えさせられた良い一日だった。
 
2015年8月18日
三浦泰年

タイリーグでは毎試合、キックオフ前に「タイ国王讃歌」の斉唱が行なわれる。

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