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戦争、貧困、国外逃亡…マジョルカの“救世主”ムリチの知られざる壮絶なキャリアに迫る。「50人が一室でぎゅうぎゅう詰めで…」

カテゴリ:ワールド

エル・パイス紙

2022年02月26日

「拾ってもらえる確率は1%」だったトルコで才能が開花

1シーズン半を過ごしたラツィオでは、満足の行く結果を残せなかった。(C)Getty Images

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 コソボでステップアップのきっかけを掴むことは不可能だった。ムリチはアルバニアに再び移住し、17歳から19歳までテウタ・ドゥラスとベサ・カバヤでプレーした。そんな彼がプロ選手になる夢を求めて次に選んだ地がトルコだった。

「拾ってもらえる確率は1パーセント。自分の力を証明したい一心で臨んだ。コソボに帰りたくなかったしね。幸いにも受け入れてもらえた」 

 ムリチはトルコで持ち前の得点力を発揮する。ギレスンスポルとゲンチレルビルリイを経て、チャイクル・リゼスポルに加入すると、18-19シーズンに26得点の大爆発。その活躍が認められ、フェネルバフチェへの移籍を勝ち取った。

 さらにそのトルコの強豪クラブでも、36試合で17得点という成績を残し、2020年夏に移籍金2000万ユーロ(約25億円)でラツィオに移籍。さらなる飛躍を期したが、シモーネ・インザーギとマウリツィオ・サッリの両監督の下で、居場所を確保することが叶わなかった。

「セリエAはトルコ・リーグよりも質が高く、しかも入団直後に怪我に見舞われ、その後に新型コロナウイルスにも感染した。ラツィオにもレベルの高い選手が揃っていたしね。チームメイトに追いつき追い越すのは簡単ではなかった。不運なことも多かったけど、チャンスを与えられてもうまくいかなかったのも事実だ」
 
 次の大きなターニングポイントとなったのが今冬のマジョルカへの移籍だった。前線で体を張ったプレー、足下の技術、194センチの高さといった持ち味を存分に発揮し、ファンの期待も高まるばかりだ。

 チームメイトにとってもそれは同様で、カディス戦(ラ・リーガ第23節)ではサルバ・セビージャが決勝点となった(マジョルカが2-1で勝利)2本目のPKを譲るという象徴的なシーンがあった。

「1本目(セビージャが沈めて1-1の同点に)も蹴るつもりだった。ストライカーはゴールを決めなければならない。PKは外すこともあるけれど、チャンスだと思った。2本目は何も言わずにいたら、セビージャが僕のところに来てボールを渡してくれた。僕が得点する必要を感じていたことに気が付いたんだ。人格者だよ。彼がしたことはその素晴らしい人柄を物語っている。信頼してくれたことにとても感謝している」
 
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