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「世界を見てこい」恩師の言葉で海外武者修行も視野に…左足の名手が志す指導者への道【玉田圭司ストーリー・後編】

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2021年12月27日

恩師からは「玉田も自分から海外に出ていって、最先端の戦術やトレーニング方法を学び、自分なりのアプローチを見出さないといけない」との檄も

玉田の恩師でもある本田裕一郎氏。現在は国士館高のテクカルアドバイザーを務める。写真:田中研治

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 習志野高時代の恩師・本田裕一郎監督(現国士舘高テクニカルアドバイザー)も「選手時代以上の努力をしなければいけない」と語気を強めている。

「玉田を筆頭に元プレーヤーだった人間が肝に銘じるべきなのは、選手と指導者は全く別物だということ。指導者はいろんな情報を貪欲に取りにいく必要があるし、自分のスタイルを構築しつつ、勝てるチームを作らなければいけない。上のレベルへ行けば行くほど結果が求められるし、3~4試合続けて勝てなかったら首になる厳しい世界。そこを渡っていくための理論武装も重要になってくる。そういう道を進んでいこうと思うなら、玉田も自分から海外に出ていって、最先端の戦術やトレーニング方法を学び、自分なりのアプローチを見出さないといけない。引退報告を受けた時も『もっと世界を見てこい』とハッパをかけました」
 
 本田監督自身も、習志野高校時代には毎年のようにアルゼンチン遠征へ赴き、ボコボコのグランドで激しく身体をぶつけ合う現地の少年たちを見て、バトルの重要性を痛感。当時はまだしばしば行なわれていた鉄拳制裁が厳禁であることも痛感させられたという。

 流通経済大柏高に赴いてからは欧州の最高峰に目を向け、ボルシア・ドルトムントやバイエルン・ミュンヘン、ザルツブルクなどのアカデミーを毎年のように訪問し、練習方法や育成哲学を習得。それを現場に還元しようと試みた。GPSを使った走行距離やスプリント回数の計測はすでに育成現場でもスタンダードになりつつあるが、本田監督はいち早くデータ活用の重要性に目覚め、学校側と交渉して導入に踏み切っている。

 99年から23年間もプロキャリアを積み上げてきた玉田はそんな苦労をしなくても、恵まれた環境でトレーニングを積み重ねることができたが、指導者を目指そうと思うなら、自ら道を切り開き、人脈を広げていく必要がある。本田監督はそのことを伝えたくて、あえて「世界を見てこい」とアドバイスしたのだろう。

「新たな人生を始めようと思うなら、まずは行動を起こすことが第一。国内外でいろんな人と会い、さまざまな環境を見て回り、本当に自分が目指すべきものを見極めるところから始めないといけない。玉田はもともと生粋のサッカー少年。無欲だったからこそ、純粋にサッカーを楽しんでここまで来たと思いますが、ここから先は頭を切り替えないといけない。いい意味で脱皮できるかどうか。そこが成否の分かれ目になると思います」
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