三笘をフォローするなら旗手も魅力的な選択肢
左サイドのセットも、中に入る南野拓実+外で高い位置を取る長友佑都、外から仕掛ける三笘薫+フォローして組み立てる中山雄太で使い分けているが、長友の左足クロスを期待するなら単純にレフティの小川諒也という選択があっても良い。また三笘をフォローするなら旗手との相性も魅力的だ。前回ワールドカップや東京五輪でも歴然としたように、日本は現状維持を望むのではなく世界を追いかける立場にある。最高到達点から徐々に下りつつあるベテランに命運を託すなら、未知のチャレンジを選択していくべきだろう。
所詮代表戦は、非日常で活動する、言わば頻度の高いオールスターゲームだ。選手の選択肢がクラブより格段に広がる分だけ、チャレンジと検証のサイクルはスピーディーに進めていくことが肝要になる。ましてコロナ禍の収束が見えない状況を考えれば、暫く5人交代制も継続される可能性が高いのに、現体制では総力戦への適応が遅れている。ただし1度定まった序列重視の閉塞状況は、ジーコやザッケローニ時代も同様だった。そう考えれば4年に1度の再考を繰り返して来たJFAのスピード感も、世界の趨勢に対応できていないという見方が出来る。
文●加部 究(スポーツライター)
文●加部 究(スポーツライター)