続々と現われるライバル…しかし本田は何も恐れることはない。

一度は終わった話だったイブラヒモビッチ獲得に向け、今なお動いているミラン。加入となれば、怪我でもしない限り、彼がポジションの一角を常に占めることは間違いないだろう。定位置争いだけでなく、本田とのコンビを見てみたい気はするが……。 (C) Getty Images
本田にとっての危機は、ここでは終わらない。続いてのライバル候補はメネーズだ。ミハイロビッチは新シーズン最初の記者会見で、メネーズはトップから少し下がった位置でもプレーする可能性があると発言している。
もちろん、常にではないだろう。なかなか相手のゴールを割れない試合、つまりより工夫を凝らした攻撃が必要で、型にはまらない自由な動きをする選手が欲しい時、メネーズを使うつもりなのだ。2トップ+メネーズという布陣はリスクを伴うものではあるが、ミハイロビッチはこの作戦を採ることも視野に入れていると公言している。
とにかく、トップ下を誰にするかは、相手のチームや試合によって変わってくる。メネーズのような自由な選手は、ガチガチに守りを固めたチームに有効だろうし、トップ下というポジションを伝統的に解釈するボナベントゥーラや本田は、トップの選手を十分に活かすためには重要な存在だろう。
さて、トップ下のライバルはまだいる。
スソだ。ただ、彼については、本田はさほど恐れることはないだろう。なぜなら彼の特性は、トップ下よりはサイドに合っているからだ。スソはゴールに向かっていくのが好きで、素晴らしいスプリントとシュート力を持っている。しかし、4-3-1-2でそれを活かそうとすると、合うポジションはトップ下しか残っていない。
そして最後にもうひとり。この選手はまだ、ミランに加入していないものの、もし獲得が決まれば、本田にとっても、他のトップ下候補にとっても最大のライバルとなるだろう。
それは、ズラタン・イブラヒモビッチだ。シルビオ・ベルルスコーニ・オーナーの悲願が叶って獲得に成功した場合、その使い方はメネーズと同じになるだろう。ルイス・アドリアーノとカルロス・バッカ、そしてイブラヒモビッチからなる前線など、まるでテレビゲームのような布陣だ。
もちろんこれは、試合次第では決してありえないことではない。イブラヒモビッチはポジションに縛られることが好きではないし、2トップの後ろでも好きに動くことができる。4-3-1-2では、この全てが可能なのだ。
ただし、最後に付け加えておくと、ミハイロビッチはこの4-3-1-2のフォーメーションが全てではないと、前もって釘を刺している。相手と状況によっては、これ以外のシステムを採ることもあるということだ。それが4-2-3-1となれば、本田にはより出場の可能性が出てくる。トップ下だけでなく、右サイドでもプレーできるからだ。
とにかく今シーズン、全ては試合前の週の練習における出来と態度でスタメンは決まるだろう。その点で、本田は何も恐れることはない。そう、私は信じている。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
もちろん、常にではないだろう。なかなか相手のゴールを割れない試合、つまりより工夫を凝らした攻撃が必要で、型にはまらない自由な動きをする選手が欲しい時、メネーズを使うつもりなのだ。2トップ+メネーズという布陣はリスクを伴うものではあるが、ミハイロビッチはこの作戦を採ることも視野に入れていると公言している。
とにかく、トップ下を誰にするかは、相手のチームや試合によって変わってくる。メネーズのような自由な選手は、ガチガチに守りを固めたチームに有効だろうし、トップ下というポジションを伝統的に解釈するボナベントゥーラや本田は、トップの選手を十分に活かすためには重要な存在だろう。
さて、トップ下のライバルはまだいる。
スソだ。ただ、彼については、本田はさほど恐れることはないだろう。なぜなら彼の特性は、トップ下よりはサイドに合っているからだ。スソはゴールに向かっていくのが好きで、素晴らしいスプリントとシュート力を持っている。しかし、4-3-1-2でそれを活かそうとすると、合うポジションはトップ下しか残っていない。
そして最後にもうひとり。この選手はまだ、ミランに加入していないものの、もし獲得が決まれば、本田にとっても、他のトップ下候補にとっても最大のライバルとなるだろう。
それは、ズラタン・イブラヒモビッチだ。シルビオ・ベルルスコーニ・オーナーの悲願が叶って獲得に成功した場合、その使い方はメネーズと同じになるだろう。ルイス・アドリアーノとカルロス・バッカ、そしてイブラヒモビッチからなる前線など、まるでテレビゲームのような布陣だ。
もちろんこれは、試合次第では決してありえないことではない。イブラヒモビッチはポジションに縛られることが好きではないし、2トップの後ろでも好きに動くことができる。4-3-1-2では、この全てが可能なのだ。
ただし、最後に付け加えておくと、ミハイロビッチはこの4-3-1-2のフォーメーションが全てではないと、前もって釘を刺している。相手と状況によっては、これ以外のシステムを採ることもあるということだ。それが4-2-3-1となれば、本田にはより出場の可能性が出てくる。トップ下だけでなく、右サイドでもプレーできるからだ。
とにかく今シーズン、全ては試合前の週の練習における出来と態度でスタメンは決まるだろう。その点で、本田は何も恐れることはない。そう、私は信じている。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。