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【女子W杯総括】4年間のさらなる成熟を強みにした「なでしこ」。今後はよりタクティカルな戦いに突入する予感も

カテゴリ:日本代表

西森彰

2015年07月07日

ワンツー・フィニッシュを決めたのは平均年齢でも1、2位の成熟したチーム。

今大会チーム平均年齢が1、2位のアメリカと日本が決勝に進出。成熟したふたつのチームが勝ち上がったと言える。(C) Getty Images

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 カナダ女子ワールドカップの開幕直前、なでしこジャパンの高年齢化=世代交代失敗が囁かれていた。参加24か国の選手平均年齢を調べてみると、前回大会のメンバーから17名が選ばれ、最年少の岩渕真奈でも22歳の日本は平均27.7歳。この数字でもかなり上のほうだと予想していたが、最高齢は優勝したアメリカの28.8歳だった。
 
 決勝戦で大勢が決した後、交代で出てきたアビー・ワンバック(35歳)、そしてランポーン(39歳・開幕時、決勝時には40歳)など大ベテランが平均年齢を引き上げている。日本がこれに続き、3番手がカナダ。この3か国は、3年前のロンドン五輪の上位3か国。金、銀、銅の並び順そのままである。
 
 少々長くなるが川澄奈穂美の言葉を引用したい。
「その昔、日本の女子サッカーが厳しかった時代は、20代後半になると将来のことが頭をよぎり、明るい未来をイメージできずに引退を考える選手が増えてきました。日本女子代表の平均年齢が低かったのはそのため。20代後半に第一線でやっているのはアスリートとして普通のことです。海外では結婚、出産を経てプレーする選手もいますし、日本もいずれそうなっていくと思います。
 
 もともと4年前の主力メンバーはそれなりに若かったと思います。私が今、29歳。まだまだ成長過程にある選手が経験を経て残っただけです。ドイツ大会の経験はひとつの強みですし、あそこまで結束が強くなるのは、そう簡単なことではありません。それに簡単に乗り越えられてしまったら、『あの優勝はなんだったんだ』ということになってしまいますよね(笑)」
 
 決勝戦のスターティングメンバーを見渡すと、日本は8名(海堀、岩清水、熊谷、阪口、宮間、川澄、大野、鮫島)、アメリカは5名(ソロ、ロイド、クリーガー、ホリデー=チェイニー、ラピノー)が4年前と同じ。経験豊富な選手に何人かの成長株を加えて勝ち上がったチームが、最終的にワンツー・フィニッシュを決めた。
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