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12年前のW杯デビューから現在まで――。宮間あやが“なでしこジャパン”で追求してきたものとは

カテゴリ:日本代表

西森彰

2015年07月05日

敵将も「ファンタスティック」と連呼した07年W杯イングランド戦のFKは「ひとりじゃ蹴れるものじゃない」。

アメリカ戦の前日会見に臨んだ宮間。チームの連帯感を強調してなでしこジャパンを引っ張ってきた。(C) Getty Images

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 アメリカ女子ワールドカップ。グループCの1勝1敗同士、日本とカナダはセカンドラウンド進出を賭けて、フォックスボローで対峙していた。日本は先制点を奪ったが、そこから3点を失っていた。すでにアディショナルタイムを数分残すのみ。消耗し切ったイレブンの姿を見れば、誰が見ても敗色濃厚だ。
 
 上田栄治監督(現女子副委員長)は、未来への投資という意味合いも込めて、背番号20の選手を呼んだ。2003年9月27日、18歳の新鋭MF・宮間あやは、初めてワールドカップのピッチを踏んだ。当時の指揮官は、述懐する。
 
「将来のことを考えて、才能ある若い選手を出そうと思って、彼女を送り出しました。当時から才能があることは分かっていました。でも、さすがにここまで凄い選手になるとは思いませんでした」(上田栄治・女子副委員長)
 
 そのカナダ戦から12年の時を経て、宮間あやは日本女子代表“なでしこジャパン”のキャプテンとして、当時の対戦国が開催する女子ワールドカップ決勝のピッチへ上がる。
 
 アテネ五輪は落選したが、上田監督の後を受けた大橋浩司監督の下、宮間は本格的に代表へ定着した。様々なポジションで起用されたが、これは適性を探りながら、出場機会を与える狙いがあったのだろう。07年の中国女子ワールドカップには、レギュラーのひとりとして参戦する。
 
 宮間は、初戦のイングランド戦で2ゴールを決めた。どちらも中距離からのFK。とりわけ2本目は1-2でビハインドを負ってのアディショナルタイム最後のプレー。チームを死の底から救い出す一撃には、追いつかれたイングランドの監督さえ、記者会見で「ファンタスティック」と連呼した。
 
「あれはチームのみんなで決めたFK。ファウルをもらってくれた人がいて初めて蹴れるもの。また、あの時はベンチの選手の気持ちが、自分の身体に入り込んでくるのが分かりました。あんな凄いシュートは、自分ひとりで蹴ろうと思って蹴れるものじゃありませんよ」(宮間)
 
 当時から、今にいたるまで、ゴールを奪うたび、宮間はベンチの選手と喜びを分かち合う。サッカーは「止める、蹴る」だけではなく、一人ひとりの選手、スタッフの結びつき、絆が大きいと考えているからだ。宮間がキャプテンを務めるこのチームは、今、驚くべき連帯感で結ばれている。
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