【関塚隆の目】銅メダルに届かなかったメキシコとの“リターンマッチ”の難しさ。上手く試合に入れなかった要因は…

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2021年08月07日

結果は本当に残念だが…

前半で2点を先行されたメキシコ戦。攻撃陣もこれまでの連動性をなかなか活かせなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 3位決定戦でメキシコに1-3で敗れた日本は、53年ぶりの銅メダル獲得とはならなかった。

 私も昨年11月まで日本サッカー協会で技術委員長などを務め、強化に携わらせてもらっただけに、結果は本当に残念だ……。試合終了の瞬間を迎えると、全身の力が抜けてしまう感覚だった。

 選手たちは最後のホイッスルが鳴るまで、相手ゴールへ向かい続けた。その姿勢は素晴らしいと思う。でも厳しい言い方をすると、姿勢だけでは勝てないということでもある。試合終盤に“頑張らなくちゃいけない状態”にならないよう、どう戦うのか、指導者としてそこの重要性を改めて感じた。

 さらに、チームが背負っていたものが、最後の最後にのしかかってしまったという印象もある。東京で開催されるオリンピックでのメダル獲得に向け、一戦一戦、積み重ねてきたなか、最後の試合で、背負っていたものがのしかかってしまったのだろう。

 日本はメキシコとグループリーグの第2戦でも対戦し、2-1で勝っていた。ただ同じ相手とのリターンマッチは得てして難しい。それは一度、勝利している側にとってはなおさらだ。

 なぜなら、一度、良くできた手法を変えるのは難しいからだ。一方で、敗れている相手は「今度はこう戦おう」と共通のイメージを持ちやすい。3位決定戦を前に日本とメキシコには異なる背景があり、それが試合の立ち上がりにつながったのではないか。
 
 日本はなかなか、らしさを出せなかった。一方で4-3-3の右ウイングに10番のライネスを先発起用したメキシコは、8番のロドリゲスらとの連係を生かして同サイドから攻撃を展開する。

 ただ得点が生まれたのは逆サイド、日本にとっての右サイドだった。13分、ドリブル突破を許した日本は相手にPKを与えてしまい失点。22分には右サイドからのFKをヘッドで合わされて追加点を許してしまった。

 30分過ぎから自分たちのやるべきこと、やらなくちゃいけないことを整理できたように映った日本は、徐々にリズムを掴んだが、アタッキングサードに入っても上手く崩すことができなかった。“誰から誰へのパスをどう断ち切るか”“どのスペースを消すべきか”――メキシコは日本の詳細な分析を進めていたのだろう。

 私も実際に監督として、2012年のロンドン五輪でメキシコと対戦した経験があるが、“様々な顔を持った”強かなチームである。そしてトライアングルを生かしてボールを回し、シンプルな攻撃も見せ、ゲームの運び方も上手い。メキシコの良さが出た一方、日本は連動性や躍動感など、それまでの試合で見せていた特長を思うように表現できていなかったように映る。

 もっとも狙いはあった。CBの吉田麻也がロングフィードを左サイドハーフの相馬勇紀に送ったように、左サイドからの攻撃を目指していたはず。現に後半に途中出場し、左サイドに入った三笘薫が1点を返している。

 メキシコの右SBのサンチェスは前半のうちにイエローカードを受けており、そこを狙うのも理に適っていた。
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