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古橋らが移籍して寂しいのは理解できるが…。原副理事長が語る「世界から見たJリーグのステータス」

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2021年08月16日

現時点でのJリーグの立ち位置は──

Jリーグが今後発展するには、セルティックに新天地を求めた古橋のように、クラブに“お金を残す”のが大事だ。写真:Getty Images

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 この夏に古橋やオナイウが本場ヨーロッパのクラブに新天地を求めるなど、今季は例年以上に選手の海外挑戦が目立つ。こうした動きを踏まえたうえで見えてきた、Jリーグの世界的なステータス(社会的地位)とは? また日本サッカーがさらに発展するための鍵はなんなのか。原副理事長に独自の見解を述べてもらった。

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 Jリーグが世界的に見てトップリーグかと言えば、そうではありません。地理的な問題もあって、プレミアリーグやラ・リーガのように発展できるかは答えにくい部分があります。ただ、この前のEUROにベルギー代表として出場したトーマス・フェルマーレン選手が「日本のリーグを過少評価してはいけない」と発信し、アンドレス・イニエスタ選手もいろいろと話題を提供してくれるおかげで、以前よりも注目度は確実に高まっています。

 実際、今季途中に横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督がスコットランドのセルティックに引き抜かれ、川辺駿選手、オナイウ阿道選手、田中碧選手、古橋亨梧選手らがヨーロッパのクラブに新天地を求めています。注目されていなければこのような動きはないわけで、個人的には“悪くない流れ”と考えています。

 現時点でのJリーグの立ち位置は、人を育てるリーグ。その意味で、海外に行く指導者、選手を増やせるかはリーグのステータスに少なからず影響してきます。しかし、ただ単純に人を流出させればいいというわけではありません。今回の古橋選手のように、クラブにお金(移籍金)を残す。これがなにより重要です。「移籍金がゼロでも選手が行きたがっているから」という理由で国外挑戦させるやり方には正直、賛同できません。クラブも潤うサイクルを確立しないと、Jリーグの発展は望めないと思います。
 
 古橋選手や田中選手をJリーグで観られないのは寂しいと感じるファン・サポーターの気持ちも分かる一方で、「自分が旬な時期に本場欧州のサッカーに挑戦したい」という選手たちの心情も理解できます。正直正解はありませんが、外国籍選手も含め「Jリーグ経由=海外行き」の流れができつつあるのは事実です。昨季に柏レイソルで大活躍したオルンガ選手がカタールのアル・ドゥハイルに移籍したのもある意味必然。Jリーグには優秀なタレントがいるという印象を植え付ける意味では、良い流れとも言えます。

 日本代表でプレーする吉田麻也選手や長友佑都選手も、ヨーロッパの主要リーグで揉まれなければ今ほどのプレーヤーになっていないと思います。東京五輪で奮闘した遠藤航選手もブンデスリーガで戦っているから、いろんなものを吸収できたわけです。かといって、Jリーグがダメというわけではありません。それは、遠藤保仁選手、中村憲剛選手といったレジェンドが証明してくれています。海外に行かなくても、できる選手はできる。いろんなタイプがいていいと思うんですよ。一種の多様性をJリーグの売りにすればいいだけの話なので。

 極端な例では、メキシコやサウジアラビアの選手はあまり国外に出ない印象です。国内のクラブで好待遇を受けているから、外に目が向かない。実際、その両国は五輪世代までは本当に強い。でも、フル代表は……。メキシコにしてもワールドカップで優勝した経験はないわけで、強豪国と呼ぶには抵抗があります。一方でアルゼンチンやブラジルは優秀な若手を高値で売っても、次から次に良いタレントが出てくる。この環境こそが彼らの最大の強みだと考えています。
 
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