東京五輪での林の出来については賛否が分かれるだろう
ブラジルが2-1でスペインを下した東京五輪の決勝を観て、U-24日本代表の試合とは「ちょっとレベルが違う」と感じた。ボールへの寄せ、パススピード、展開力のすべてが異次元。ワールドカップでも、チャンピオンズ・リーグでも、EUROでもないのに、このレベルとは……。なにより感心したのが、両チームの選手たちがそれを一生懸命ではなく、普通にやっている点である。これを日本も個人ではなくチーム単位でやるというのは、難しいというか、現時点では無理だろうというのが率直な見解だ。
とはいえ、スペインとの準決勝では日本もポジティブな要素を示した。それは、組織的な守備である。CF林をファーストDFとして、そこから連動してゴールを与えないディフェンスは、間違いなくスペインを苦しめた。
一方で、日本の未熟さが際立ったのは攻撃面だろう。東京五輪の準々決勝以降の3試合でチームが奪った得点はメキシコとの3位決定戦でのひとつだけ。守備力は高いが、ゴールを挙げられない。それはまるで、東京五輪でCFを務めた林大地のパフォーマンスそのものだった。
東京五輪での林の出来については賛否が分かれるだろう。彼がプレスをさぼらず仕掛けてくれたおかげで組織的な守備が成立したとの見方もあれば、FWである以上大会を通してノーゴールはいただけないとの批判もあり、どちらも決して間違いではない。
とはいえ、スペインとの準決勝では日本もポジティブな要素を示した。それは、組織的な守備である。CF林をファーストDFとして、そこから連動してゴールを与えないディフェンスは、間違いなくスペインを苦しめた。
一方で、日本の未熟さが際立ったのは攻撃面だろう。東京五輪の準々決勝以降の3試合でチームが奪った得点はメキシコとの3位決定戦でのひとつだけ。守備力は高いが、ゴールを挙げられない。それはまるで、東京五輪でCFを務めた林大地のパフォーマンスそのものだった。
東京五輪での林の出来については賛否が分かれるだろう。彼がプレスをさぼらず仕掛けてくれたおかげで組織的な守備が成立したとの見方もあれば、FWである以上大会を通してノーゴールはいただけないとの批判もあり、どちらも決して間違いではない。
サッカーというスポーツが“攻守一体”という構造である以上、攻撃と守備を分けて考えるのは難しい。林の献身を含む組織的な守備があったからこそスペインを苦しめる試合展開に持ち込めたわけで、ディフェンス重視のカウンター戦術でも勝てなかった事実が現時点での林の限界、ひいては日本の限界を物語っていたという見方もできるだろう。
スペインやブラジルのようなサッカーを日本が展開できるようになるまでには途方もない時間がかかるかもしれない。いや、そこに辿り着こうとする発想自体、ナンセンスなのかもしれない。
いずれにしても、スペインやブラジルが何気なくやっているパス回し、ポジショニング、ちょっとした身体の向き方はそう簡単に会得できる技術ではない。
日本が世界と対抗するには、今のところ、堅守がベースの戦術が最適。現実的に戦ってベスト16に進出した2010年ワールドカップ(1トップの本田がハマった)、理想を追い求めて惨敗した14年のワールドカップ(ポゼッションサッカーで撃沈)の結果をサンプルにしてもそういう結論に行き着く。18年ワールドカップも、ひとり少ないコロンビアに勝っただけで、オープンな展開となったベルギー戦も結局は競り負けている。そのベルギー戦にしても前半は防戦一方で、内容も踏まえれば接戦とは言い難い試合だった。
堅守を維持したうえで競り勝つには、おそらく規格外のストライカーが不可欠。ある程度アバウトなボールでも、驚愕のフィニッシュワークでゴールに結び付ける、そう、“怪物”と呼ぶに相応しかった久保竜彦のような選手が。そんな妄想……と思われる方もたくさんいるだろうが、「トラップするのが面倒なので打ちました」と言ってのける彼のような規格外のアタッカーがいないと日本は五輪やワールドカップで新たな歴史を築けないのではないか。
そのストライカーには極力守備をさせず、メッシやC・ロナウドのように攻撃に専念させたうえで、他の選手で守り切る。これが強豪を撃破できる手段のひとつではないか。と提案しつつも、そう上手く久保のような存在が育つわけではないし、かといってスペインのようなサッカーに到達しようというのも現実味に乏しい。内田篤人が引退会見で「世界との差はむしろ広がっている」と述べた言葉を痛感させられたのが、東京五輪だった。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)
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スペインやブラジルのようなサッカーを日本が展開できるようになるまでには途方もない時間がかかるかもしれない。いや、そこに辿り着こうとする発想自体、ナンセンスなのかもしれない。
いずれにしても、スペインやブラジルが何気なくやっているパス回し、ポジショニング、ちょっとした身体の向き方はそう簡単に会得できる技術ではない。
日本が世界と対抗するには、今のところ、堅守がベースの戦術が最適。現実的に戦ってベスト16に進出した2010年ワールドカップ(1トップの本田がハマった)、理想を追い求めて惨敗した14年のワールドカップ(ポゼッションサッカーで撃沈)の結果をサンプルにしてもそういう結論に行き着く。18年ワールドカップも、ひとり少ないコロンビアに勝っただけで、オープンな展開となったベルギー戦も結局は競り負けている。そのベルギー戦にしても前半は防戦一方で、内容も踏まえれば接戦とは言い難い試合だった。
堅守を維持したうえで競り勝つには、おそらく規格外のストライカーが不可欠。ある程度アバウトなボールでも、驚愕のフィニッシュワークでゴールに結び付ける、そう、“怪物”と呼ぶに相応しかった久保竜彦のような選手が。そんな妄想……と思われる方もたくさんいるだろうが、「トラップするのが面倒なので打ちました」と言ってのける彼のような規格外のアタッカーがいないと日本は五輪やワールドカップで新たな歴史を築けないのではないか。
そのストライカーには極力守備をさせず、メッシやC・ロナウドのように攻撃に専念させたうえで、他の選手で守り切る。これが強豪を撃破できる手段のひとつではないか。と提案しつつも、そう上手く久保のような存在が育つわけではないし、かといってスペインのようなサッカーに到達しようというのも現実味に乏しい。内田篤人が引退会見で「世界との差はむしろ広がっている」と述べた言葉を痛感させられたのが、東京五輪だった。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)
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