NZ戦、望んでいなかったPK決着、冨安の出場停止は防げなかったのか? スペイン戦で欲しい果敢な采配【東京五輪】

カテゴリ:日本代表

加部 究

2021年08月01日

序盤の時点で、誰もPK決着など予想していなかったはずだ

日本は準決勝で冨安を出場停止で欠くことになる。後半押し返された形勢を変える策を講じられなかったか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 日本は典型的な負けパターンにはまりかけていた。

 イメージが重なるのは、この日も日本ベンチに入っていた反町康治・JFA技術委員長が監督を務めた13年前の北京五輪である。十分に勝てる相手と踏んでいた最初の米国戦で、日本は前半にセットプレーからGKとディフェンスラインの間に速いボールを通し、あとはファーサイドでフリーの森重真人がゴールにプッシュするだけだった。だがここでキックミスが出て逸機。その後も主導権を握りながら、後半米国に決勝点を奪われツキにも見放され敗れた。振り返れば、もうそれ以上の決定機は巡って来なかった。
 
 開始9分、久保建英の縦パスを受けた林大地が、絶好のクロスをファーサイドに届けた決定機と瓜二つだった。

 ここまで日本は、大方が優勢を予想した南アフリカ戦とニュージーランド戦で苦しみ、難敵のメキシコとフランスを相手に優れたパフォーマンスを見せた。安易に勝てる空気を醸すのは我々メディアの責任でもあるのだが、やはり個々がどんなに引き締めようと意識しても、スペイン戦とニュージーランド戦では集中の度合いが違う。だからもし準々決勝で締まった試合を見たければ、相手は韓国の方が良かった。

 序盤から日本は明らかに優位に立っていた。相手のアタッキングサードで、プレスバックした相馬勇紀が、また一度ボールを失った遠藤航がすかさずアタックし、久保もアンカーのベルを狙って、次々にボール奪取に成功していた。こうして自陣から一気に運んだ遠藤が堂安律のシュートを呼び込み、その後のショートコーナーから前述の通り9分の決定機が生まれた。もちろん外した遠藤はショックの様子だったが、反面いつでもゴールを奪える感触は広がったに違いない。一方で日本の前がかりの守備が怖いニュージーランドは、前線かサイドにロングフィードで逃げるばかりで日本を脅かす効果的な攻撃には至らなかった。まさかこの時点では、誰もPK決着など予想していなかったはずだ。

 ところが後半早々に、最終ラインを統率するリード主将の故障で流れが一変する。ニュージーランド陣営はセンターバック(CB)のリードに代えてFWのマッコワットを送り込み、5バックから4バックに変更すると一転攻勢に出て来た。またマッコワットを筆頭に、交代出場して来たジャストやシャンプネスが技術水準も高く、最前線で起点となるウッドをフォローしてチャンスを演出し始める。文字通り「怪我の功名」で、延長前半ゴール前フリーで受けたジャストが足を滑らせたのは、日本にとって僥倖以外に何物でもなかった。

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