攻守両面でかなり練度の高いチームができあがった
いよいよ開幕が目前に迫る五輪の男子サッカー。日本はグループステージで南アフリカ、メキシコ、フランスと対戦する。果たしてホスト国の日本は目標に掲げる金メダルを手にすることはできるのか。そのためのキーマンは? スポーツライターの浅田真樹氏に訊いた。
――◆――◆――
日本は今回で7大会連続のオリンピック出場となるが、本番を前にこれほど順調に準備が進んだチームは過去に記憶がない。
今年3月以降、海外組も日本に集めて国際試合を重ね、6月の活動からは早くもオーバーエイジ(OA)枠の3人を加えた。そして大会直前には、オリンピック出場国を相手に最終仕上げ。その結果、攻守両面でかなり練度の高いチームができあがった。
日本に限らず、全世界が新型コロナウイルス感染拡大に苦しむなか、何もかもやりたいようにできたわけではない。当然活動に制限はかかっていた。それを考えれば、特に今年に入ってからの準備はパーフェクトと呼べるものだった。
もちろん、細かい点について気になるところはいろいろとある。だが、限られた時間で作り上げる代表チームという性質を考えると、完成度はかなり高い。
すでに五輪世代の選手の多くがヨーロッパでプレーしており、しかもA代表経験者も数多い。個々の能力の高さもさることながら、豊富な経験がチーム全体に余裕や落ち着きをもたらし、課題の発見と修正をすばやく繰り返すことができた結果だろう。
周りを見渡せば、チーム編成にすら苦しむ出場国も少なくない。万端の準備にホームアドバンテージも加え、日本のメダル獲得の可能性はかなり高まった。あえて数字にするなら60パーセント。五分五分よりは高い可能性があると見ている。
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日本は今回で7大会連続のオリンピック出場となるが、本番を前にこれほど順調に準備が進んだチームは過去に記憶がない。
今年3月以降、海外組も日本に集めて国際試合を重ね、6月の活動からは早くもオーバーエイジ(OA)枠の3人を加えた。そして大会直前には、オリンピック出場国を相手に最終仕上げ。その結果、攻守両面でかなり練度の高いチームができあがった。
日本に限らず、全世界が新型コロナウイルス感染拡大に苦しむなか、何もかもやりたいようにできたわけではない。当然活動に制限はかかっていた。それを考えれば、特に今年に入ってからの準備はパーフェクトと呼べるものだった。
もちろん、細かい点について気になるところはいろいろとある。だが、限られた時間で作り上げる代表チームという性質を考えると、完成度はかなり高い。
すでに五輪世代の選手の多くがヨーロッパでプレーしており、しかもA代表経験者も数多い。個々の能力の高さもさることながら、豊富な経験がチーム全体に余裕や落ち着きをもたらし、課題の発見と修正をすばやく繰り返すことができた結果だろう。
周りを見渡せば、チーム編成にすら苦しむ出場国も少なくない。万端の準備にホームアドバンテージも加え、日本のメダル獲得の可能性はかなり高まった。あえて数字にするなら60パーセント。五分五分よりは高い可能性があると見ている。
ポイントとなるのは、中2日の6連戦(決勝のみ準決勝から中3日)という過密日程を、いかにうまくこなすか。具体的に言えば、登録メンバーをフル活用し、うまく選手をローテションさせられるかどうか、だ。
日本の選手は日本特有の蒸し暑さに慣れているとはいえ、特定の選手に負荷をかけ過ぎれば、準決勝以降の“メダルマッチ”でガス欠にならないとも限らない。4位に終わったロンドン五輪を振り返っても、初戦のスペイン戦で最高出力を発揮して優勝候補を倒したものの、その後は目に見えて動きが落ちていった。
OAの3人にしても替えが効かない存在なのは確かだが、試合展開、あるいはグループリーグ全体の展開次第で、彼らを休ませながら勝ち上がれるようならベストだろう。
日本の選手は日本特有の蒸し暑さに慣れているとはいえ、特定の選手に負荷をかけ過ぎれば、準決勝以降の“メダルマッチ”でガス欠にならないとも限らない。4位に終わったロンドン五輪を振り返っても、初戦のスペイン戦で最高出力を発揮して優勝候補を倒したものの、その後は目に見えて動きが落ちていった。
OAの3人にしても替えが効かない存在なのは確かだが、試合展開、あるいはグループリーグ全体の展開次第で、彼らを休ませながら勝ち上がれるようならベストだろう。