歴史に残る大熱戦で幕を閉じた第99回高校選手権。コロナ禍の大会でそれぞれが抱えた想い

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2021年01月13日

心の拠り所となっていた大会は本当に開催されるのか…

PK戦で決着した決勝戦。互いに死力を尽くした激闘は山梨学院に軍配が上がったが、青森山田の反撃もまた見事だった。写真:徳原隆元

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 新型コロナウィルス感染症拡大が猛威を振るい、当たり前の日常が奪われてしまった2020年。高校サッカー界もインターハイがなくなり、高円宮杯プレミアリーグを始め、各リーグ戦が延期、方式やチーム編成の大幅変更を余儀なくされた。地域や学校によっては部活ができない時期が長く続き、選手たちも目まぐるしく変わる情勢に苦しんだ。

 そんな中、「インターハイがなくなったのはショックでしたが、僕らには選手権がある。選手権に向けていいチームを作ろうとみんなで誓っていた」と青森山田のキャプテン・藤原優大が語ったように、彼らの心の拠り所は全国高校サッカー選手権大会だった。

 だが、この話を聞いた時も選手権が本当に開催されるのかどうかが分からない状態だった。筆者も選手たちに「選手権があるから頑張れ」という言葉は決して口にできなかった。なぜなら、高校野球の選手たちは春の選抜が中止になった時に、「夏がある」と信じて練習に打ち込んでいたが、夏も中止になり、その喪失感はより大きなものになってしまった。サッカーだってその可能性は十分にあった。

 それは選手たちも感じていた。「僕らには選手権がある。もしかしたら、それすらもなくなるかもしれないけど、僕らはあると信じて練習に打ち込みたいし、ここで努力を怠ったらこれまでの意味がなくなってしまう」と、市立船橋のキャプテン・石田侑資が語ったように、結論が出るまで悲観せずに前を向き、たとえ中止となったとしても、それで自分たちのこれまでの努力が無になるようなことはしたくない。そこには強い決意と覚悟があった。

 大会関係者、指導者、そして様々な人の努力により、選手権は無事に開催され、大会期間中もどこも辞退することなく、全47試合を執り行なうことが出来た。

 これは選手権本大会よりも、選手権予選の方に強く感じたことだが、どのチームもやはり完成度は高くなかった。本来ならばチームのベースを作り上げる3月~6月の活動が限定的となり、チーム力を伸ばし、新戦力の台頭が期待される夏場すらも思うように試合ができなかった。

 各リーグが8月末から9月にかけて開幕をし、通常の2巡ではなく、1巡で終えた。その数試合でも「静岡学園など強豪を相手に実戦を積めたことは大きかった」とベスト16入りした帝京大可児の仲井正剛監督が語ったように、大きな経験の場所となったが、それでもやはり選手権予選での完成度が例年よりも低いチームは多く、それも影響してか大津や尚志などの有力チームが予選で姿を消すことが多かった。

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