日本で育った選手は、自分の武器を出せない場合が少なくない。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いる日本代表が、3月27日のチュニジア戦でいよいよ“発進”する。
その日本代表メンバー発表においてひとつ特徴的だったのは、名古屋のFW永井謙佑の選出ではないだろうか。
偶然、視察したナビスコカップの試合で、ほぼ直感的に選んでいる。圧倒的な足の速さというのは伝わりやすいのだろう。そもそも、ハリルホジッチはアルジェリア代表監督としてソフィアン・フェグーリ、アブデルムメンヌ・ジャブ、ヤシン・ブライミのような走力のある選手を好んで用いており、驚くには値しない。
しかし、問題はそこからの話だろう。
ハリルホジッチは、群を抜いたダッシュ力を持つ永井に興味を持ったが、その武器に相応するパス、コントロール、シュートの質があるのか――。
スカウティングにおいて、突出した能力を持っている選手を評価し、そこからディテールを追うのは定石だが、日本で育った選手というのは、武器があってもそれを試合のなかで出せない場合が少なくない。
例えばリーガ・エスパニョーラのコルドバがハーフナー・マイクを獲得した時、そのヘディングと意外なボールテクニックに周囲は目を丸くした。
「かなり期待できる」
スカウティング能力の高いスペイン人でもそんな評価を下したが、筆者は疑問を呈していた。なぜなら、オランダではゴール前で動き直さなくても、長身めがけてクロスが飛んでくる。しかしスペインでは、しっかりとマークを外さない限りパスは来ない。
案の定、ハーフナーはゴール前で待ち構えるだけで、周囲との連係を欠き、ポジションを失っていった。プレースタイルとレベルの違いに適応する必要があったわけだが、それができなかったのである。
結果的に、高さや足技は宝の持ち腐れだった。言い換えれば、武器の部分では評価すべきものがあったが、その武器を出すことができなかったのだ。
<持っているんだから、出せるだろう!>
スペイン人たちは憤慨気味に不思議がったものだが、前提において論理は崩れていたのである。
その日本代表メンバー発表においてひとつ特徴的だったのは、名古屋のFW永井謙佑の選出ではないだろうか。
偶然、視察したナビスコカップの試合で、ほぼ直感的に選んでいる。圧倒的な足の速さというのは伝わりやすいのだろう。そもそも、ハリルホジッチはアルジェリア代表監督としてソフィアン・フェグーリ、アブデルムメンヌ・ジャブ、ヤシン・ブライミのような走力のある選手を好んで用いており、驚くには値しない。
しかし、問題はそこからの話だろう。
ハリルホジッチは、群を抜いたダッシュ力を持つ永井に興味を持ったが、その武器に相応するパス、コントロール、シュートの質があるのか――。
スカウティングにおいて、突出した能力を持っている選手を評価し、そこからディテールを追うのは定石だが、日本で育った選手というのは、武器があってもそれを試合のなかで出せない場合が少なくない。
例えばリーガ・エスパニョーラのコルドバがハーフナー・マイクを獲得した時、そのヘディングと意外なボールテクニックに周囲は目を丸くした。
「かなり期待できる」
スカウティング能力の高いスペイン人でもそんな評価を下したが、筆者は疑問を呈していた。なぜなら、オランダではゴール前で動き直さなくても、長身めがけてクロスが飛んでくる。しかしスペインでは、しっかりとマークを外さない限りパスは来ない。
案の定、ハーフナーはゴール前で待ち構えるだけで、周囲との連係を欠き、ポジションを失っていった。プレースタイルとレベルの違いに適応する必要があったわけだが、それができなかったのである。
結果的に、高さや足技は宝の持ち腐れだった。言い換えれば、武器の部分では評価すべきものがあったが、その武器を出すことができなかったのだ。
<持っているんだから、出せるだろう!>
スペイン人たちは憤慨気味に不思議がったものだが、前提において論理は崩れていたのである。