【安永聡太郎】CLでスペイン勢の躍進はしばらく見られない? 一方、ラ・リーガは“カオス”になる

カテゴリ:連載・コラム

木之下潤

2020年09月14日

型を破って独り立ちしないとCLでは活躍できない

世代交代に迫られるマドリーも、メッシ退団騒動に揺れたバルサもCLでの苦戦は必至か。(C) Getty Images

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 チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント以降の試合を見ていて思うけど、あの舞台に立てる選手はそれぞれが何度も壁をぶち破ってきた選手とその向こう側にいる選手の集まりじゃないと勝ち上がれない。

 前回の連載コラムでは、日本のトップクラブの育成に関して意見を言ったけど、日本の教わりすぎた選手はやっぱり自分で勝手に型を作って、そこからはみ出せない選手が多い気がする。型を破れない。最近、サッカー界でもよく言われるのが、古武道の「守破離」という言葉。

一発勝負のCLを見て感じた、日本と欧州の“広がる差”。あの舞台で活躍できる選手を育てるには――

 教えてもらった型を守る時期と、破る時期と、いずれは個性を出して離れる時期、ようするに独り立ちの時期だと思うんだけど、選手の育成って「個の成長状態を見極められる」指導者の存在が大事だよね。もちろん見る目が正しい人とか、指導者もそれぞれに特徴や強みがあっていい。見る目があって、伝える力もあって、指導力も長けていてと、そんなパーフェクトな指導者が数多くいるとは思えないから。

 というか、そう思っている指導者は考え直したほうがいいと思う。

 僕は指導者として圧倒的に指導回数が足りていないし、指導方法だって長年やっている人と比べると「こういうトレーニングをしたらこういう選手が出てきた」という経験だって少ないからね。

「我慢して、これをやり続けた結果、こうなりました」

 今はそれを積み重ねている最中。中学生と大学生、朝晩2つのカテゴリーを指導できている現在の環境は、非常に幸せな経験を与えてもらっている時間になっている。この経験があるから、この連載でこれまでとは違った見方を読者に提示できていると自分では思っている。

 サッカーファンに対して解説する仕事をしながらも、現場指導もできている。その恩恵を受けているから、今大会のCLを解説するにあたって、「1つでも日本の育成にプラスになるようなことを言えないのは無責任だ」と思ったから前回に引き続き、あえて日本サッカーについて口にしている。

 基本的には、日本の育成については言わないようにしているんだけど、今は自分も指導する立場として現場経験を積んでいるので、今大会のCLに出場している選手たちを分析していてどうしても日本の育成選手とリンクさせられずにはいられなかった。

「そんなこと言いながら、自分のチームはこんなんじゃん」と後ろ指を刺されることもあるかもしれない。それでも、それが自分を変えていくキッカケになるし、僕自身も「指導者として守破離しなければいけない」という思いがある。指導者も挑戦しないと限界突破できないし、可能性を広げられないから。
 
 ここからは「国や移籍や個人の否定ではないこと」が前提であることを理解して、内容を読んでもらえるとうれしい。

 最近はヨーロッパの移籍が活発化しているよね。良いことだけど、考えることもある。たとえば、Jのトップ選手がベルギー・リーグの、しかも2部に行くことがプラスになるのか? 

 僕も選手経験があるから行く気持ちもわかるし、当然ヨーロッパにいたほうがスカウトの目に留まりやすいのは間違いない。しかし、それだけの理由で簡単に海外に出ていかれてしまうとJリーグは寂しいかぎりだよね。

 非常に難しい問題だけど、各チーム、フロント陣がどうにかしないと。ベルギーに行った。2部だったけど、活躍できずに戻ってきた。でも、Jリーグでは大活躍したーー。これは無視できない問題だよ! 外国人枠のないドイツでもあまり活躍できず、日本に戻ってきたらレギュラーで重宝されているのも然りだよね。

 日本に限ったことではないと思うけど、「この流れを、この先に何年続けていくんだろう?」と思う。このネガティブな出戻り現象を検証しなかったら、いつまでも同じことが起こる気がしてならないのは僕だけではないはずだ。

 室屋成がドイツ2部のハノーファーに移籍した。それ自体は悪いことじゃない。でも、代表の主力がそこに位置するクラブに移籍するのが、日本の現状だということ。そこはサッカー界全体で考えるところだよ。

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