明らかに押されているのに勝ってしまう…今季の浦和は評価が難しい

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2020年08月30日

「粘り強い」と言えば聞こえはいいが

守備陣をまとめている槙野。粘り強く勝点を拾えているのは、このCBの奮闘が大きい。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第13節]浦和2-1大分/8月29日/埼玉

 試合後、「んー」と頭を悩ませる。

 取材した試合は、両チームの選手と監督に採点をつける。いつもであれば、試合が終わる頃には大方の選手の採点が決まっているものなのだが、今季の浦和レッズは、そう簡単に決まらない。

 大分戦の勝利に水を差すようではあるが、ハッキリ言えば、内容と結果が比例しない試合が多い。明らかに押されているのに勝ってしまう。そんな試合ばかりなのである。攻撃では連係不足が目につき、戦術的な上積みはあまり感じられない。

 リーグ13試合を終えて、いわゆる快勝と呼べるものは11節のガンバ大阪戦くらい。それ以外の勝利ゲームは、多くの時間で守勢にまわりながら水際で逃げ切った試合がほとんどだ。
 
 象徴的だったのが4節の鹿島アントラーズ戦(〇1-0)、7節の横浜FC戦(〇2-0)、10節のサンフレッチェ広島戦(〇1-0)。レオナルドらの個人技でゴールを得ると、いずれも終盤まで攻め込まれながらも、なんとか守り切り勝点3を得た試合だった。特に後半はほとんど相手にボールを回され、ベタ引きとなりがちだ。

 大分トリニータをホームに迎えた13節も同様だった。

 9分に右サイドからクロスを上げられて先制ゴールを許したものの、30分にレオナルドのヘディングで、その3分後には山中亮輔のFKに橋岡大樹が合わせる形で逆転に成功。そこまでは良かったのだが、しかし、それから後半に入るとやはり守りを固めようと、自陣に引きこもる展開が増えた。

 終盤にはほとんど相手ゴールに迫ることはなく、逆に猛反撃にさらされた。前半は6本対4本と上回っていたシュート数も、後半は2本対8本と上回られている。この数字からも、消極的な意識が見て取れる。

 もちろんリードを守るために後半に守備固めに入るのは、勝利を得るための常套手段である。ただ「粘り強い」と言えば聞こえはいいが、後手に回りがちなその戦い方は、開幕前に掲げた「攻守に主体的なサッカー」(大槻毅監督)とは相反するものなのは間違いない。

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