ブンデスリーガ再開! 日本人選手の「現状」と「後半戦展望」

カテゴリ:ワールド

遠藤孝輔

2015年01月31日

激化する2列目の定位置争い…香川はのっけから正念場。

ロイスの復帰やカンプルの加入で、2列目のポジション争いは激化した。香川にとっては熾烈なサバイバルが幕を開ける。 (C) Getty Images

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マインツにとって岡崎は代えの利かない前線の柱。サポート体制も整い、さらなるゴール量産が期待される。 (C) Getty Images

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 1か月以上に及んだ長いウインターブレイクが明け、ブンデスリーガの後半戦がいよいよスタートした。
 
 他に先駆けて行なわれた1月30日のリーグ再開初戦、ヴォルフスブルク対バイエルン戦では、ヴォルフスブルクが4-1で圧勝。前半戦は無敗と圧倒的な強さを見せつけたバイエルンが完敗を喫する波乱の幕開けとなった。
 
 ますます目が離せないブンデスリーガ。アジアカップから戻った代表組を含めた日本人選手の現状を改めて整理しながら、彼らの後半戦を展望する。
 
――◆――◆――
 
香川真司(ドルトムント:17位)
[前半戦成績]12試合:1得点・0アシスト
[後半戦初戦]1月31日(日本時間2月1日2:30)レバークーゼン戦(A)
 
 ウインターブレイク前にトップ下の定位置を失い、日本代表として参戦したアジアカップでは早期敗退を喫したチームの戦犯のひとりとして厳しい批判に晒された。大きな壁にぶち当たっている印象は否めず、マンチェスター・ユナイテッド在籍時から続く試練の日々は終わらない。
 
 なにより求められるのは、目に見える結果だろう。決定機を外すシーンが散見され、1ゴールと振るわなかった前半戦の失態は繰り返せない。課題はフィニッシュの精度向上だ。
 
 1月にエースのマルコ・ロイスが怪我から復帰したうえ、実力者のケビン・カンプルが入団(←ザルツブルク)し、4-2-3-1システムの「3」を巡るサバイバルは激化している。完全復活を期す香川にとっては、のっけから正念場だ。早い段階でインパクトを残し、復活に向けた足掛かりにできるか。
 
 
岡崎慎司(マインツ:12位)
[前半戦成績]16試合:8得点・3アシスト
[後半戦初戦]1月31日(日本時間31日23:30)パーダーボルン戦(H)
 
 チームの絶対的な得点源として君臨しているだけでなく、質の高いポストワークや動き出しでチャンスメーカーとしても機能。もはやアンタッチャブルな存在と化しており、マインツの首脳陣は今冬にレスターから届いた1000万ユーロ(約14億円)を上回る好条件のオファーをあっさり断った。
 
 そのフロントは冬の移籍市場でチリ代表のCFニコラス・カスティージョを獲得(←クラブ・ブルージュ)したが、スポーツディレクターを務めるクリスティアン・ハイデルが「シンジの負担を減らすため」と明かしたとおり、岡崎の立場を脅かす新戦力ではない。よほどのスランプに陥らないかぎり、レギュラーの座は安泰だ。
 
 期待できるのはさらなるゴール量産。9節以降を負傷離脱していた崩しの切り札、ヨナス・ホフマンの戦列復帰と、スピードスターのクリスティアン・クレメンスの加入(←シャルケ)で、フィニッシュに専念しやすい環境が整ったのだ。すべてが噛み合えば、最後まで得点王争いに絡んでもおかしくない。
 
内田篤人(シャルケ:5位)
[前半戦成績]13試合:0得点・3アシスト
[後半戦初戦]1月31日(日本時間31日23:30)ハノーファー戦(H)
 
 アジアカップ欠場を余儀なくされた右膝の怪我が癒え、1月18日からチームの全体練習に復帰している。ウインターブレイク明けの初戦となるハノーファー戦での先発起用はほぼ確実で、あるいは清武とのマッチアップが見られるかもしれない。
 
 ブンデスリーガ公式サイトが発表した『前半戦のMVPランキング』で2位に入ったとおり、今シーズンのパフォーマンスは波が少なく、攻守の両局面で安定している。不安は右膝の状態くらい。代えの利かない存在となっているだけに、後半戦もフル稼働を強いられるだろう。再発のリスクはゼロではない。
 
清武弘嗣(ハノーファー:8位)
[前半戦成績]17試合:3得点・3アシスト
[後半戦初戦]1月31日(日本時間31日23:30)シャルケ戦(A)
 
 4-2-3-1システムの2列目右→トップ下→左と定位置を変えながら、開幕戦以外はすべての試合に先発出場。3ゴール・3アシストを記録しただけでなく、プレースキッカーを担当するなど、入団1年目にしてはまずまずの滑り出しを見せた。
 
 アジアカップ参戦の影響から、シャルケと対戦する後半戦の初戦はベンチスタートが濃厚。ドイツU-21代表のレオナルド・ビッテンコートや、左足の精緻なキックが魅力のエドガー・プリプなど定位置を脅かしうるライバルは少なくないが、そうしたタレントとの切磋琢磨が、さらなるレベルアップに繋がるかもしれない。
 
酒井宏樹(ハノーファー:8位)
[前半戦成績]16試合:0得点・0アシスト
[後半戦初戦]1月31日(日本時間31日23:30)シャルケ戦(A)
 
 アジアカップ不参加により、コンディション面の大きな不安はない。ただし、競争力のあるライバルが不在で、レギュラー落ちの可能性が低かった前半戦とは状況が変わっている。
 
 今冬の移籍市場でポルトガル代表のジョアン・ペレイラ加入(←バレンシア)が決まったのだ。代表レベルでの国際経験が豊富なうえ、スペインで着実に実績を築き上げたこの新戦力に対するクラブの期待値は高い。
 
 とはいえ、J・ペレイラは前所属先の監督と揉め、今シーズンの公式戦は一度も出場していない。試合勘の欠如は否めず、当面はバックアッパーと目される。酒井にとっては、向こう数試合が定位置を守れるかどうかの試金石となる。
 

アジアカップを棒に振ることになった右膝の怪我も癒え、後半戦もフル稼働が期待される内田。 (C) Getty Images

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