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悪くない久保建英の選択――ビッグクラブでプレーする“ストレス”は半端ではない【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年09月02日

バルサでは低調だったパコ・アルカセルがブンデスで爆発

9月1日のバレンシア戦でリーガデビューを飾った久保。マジョルカでの武者修行を経てマドリー復帰を目指す。写真:Rafa HUERTA

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 中堅以下のクラブでは、勝ったことが称賛され、大きなニュースとなる。一方、ビッグクラブでは、勝つことが当たり前。負けがトピックスになる。

 後者における精神的ストレスは、半端ではない。かつて、選手時代のジョゼップ・グアルディオラはこう明かしていた。

「バルサでプレーすることは難しい。なぜなら、チャンピオンズ・リーグ(CL)で欧州のビッグクラブと激闘をした後、地方の遠征でも鮮やかに勝つことが求められる。それが延々と続くんだ」

 その鍛錬はすさまじいものがあるだろう。

 言い換えれば、ビッグクラブで戦った者は強大なストレスを経験し、タフであると言える。常勝の強さか。どんな状況でも平均的に、質を落とさずに自分のプレーができるのだ。

<持っている技術を出せる>

 その点が大きな差として出る。
 
 それ故、レアル・マドリー、バルセロナのようなクラブで薫陶を受けた選手は、たとえポジションをつかめなくても、モノが違う。

 例えば、バルサでは最後まで定位置をつかめなかったスペイン代表FWパコ・アルカセルは、2018-19シーズンに移籍したボルシア・ドルトムントで18得点とブンデスリーガ2位の記録をたたき出している。

 新天地の強豪クラブで、先発に定着したとは言えないものの、出場した時の得点力は神懸っている。元バルサ選手としての格の違いを示したと言える。どんな戦術、システム、そして局面にも適応できるのだ。

 また、バルサ時代のポルトガル代表MFアンドレ・ゴメス、フランス代表DFリュカ・ディーニュの二人は失格の烙印を押されていたが、2018-19シーズンに移籍したエバートンで主力として活躍。A・ゴメスは吹っ切れたプレーで、本来の高い技術を取り戻した。

「バルサではいつも高いレベルを要求されていた。できないと落ち込み、批判され、悪い循環にはまった。どうにかなりそうだったよ」

 A・ゴメスは、バルサ時代についてそう振り返っている。

 つまり中堅クラブで見事な活躍をしていても、バルサやマドリーのようなクラブでは活躍が保証されない。
 
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