違約金の使い道に変化が
かつての夏の移籍市場はつらい時期だった。リーグ最少の人件費で運営する水戸は夏に主力を抜かれるシーズンを繰り返してきた。
例えば2016年には当時のチーム得点王だった三島康平(現・熊本)が当時J2の松本に引き抜かれるという出来事があった。
ところが今季は違う。夏の市場が開く前の6月末に守備の要の伊藤槙人が横浜へ移籍したものの、その後、かつてないほど積極的に動いた。
世代別代表FWの小川航基、C大阪でタイトル経験のある福満隆貴、貴重なレフティCB宮大樹といった即戦力をJ1クラブから獲得。昇格争いに向けて戦力を高めることに成功したのだ。
なぜ今までとは違う夏を迎えることができたのか。
例えば2016年には当時のチーム得点王だった三島康平(現・熊本)が当時J2の松本に引き抜かれるという出来事があった。
ところが今季は違う。夏の市場が開く前の6月末に守備の要の伊藤槙人が横浜へ移籍したものの、その後、かつてないほど積極的に動いた。
世代別代表FWの小川航基、C大阪でタイトル経験のある福満隆貴、貴重なレフティCB宮大樹といった即戦力をJ1クラブから獲得。昇格争いに向けて戦力を高めることに成功したのだ。
なぜ今までとは違う夏を迎えることができたのか。
西村卓朗強化部長はこう説明する。
「伊藤槙人の違約金があったからです」
今までも選手を移籍させ、違約金を手にしていたが、今季はその資金の使い道に変化があった。
これまでは違約金の一部を運営費に回さざるを得ず、多くを強化費として使えない状況が続いていた。しかし、今季はユニホームの背中上下のスポンサーが埋まり、入場料収入も昨季より大幅に上回ると予想されている。資金力が高まり、伊藤の違約金の大半を強化費として使えるようになったのである。それが実力者獲得に至った理由だ。
クラブ力の向上がチーム強化につながる、と実証した夏。「J1昇格への本気度」を見せるのは現場だけでない。フロントも昇格に向け、必死にチームを後押ししているからこそ、今夏の補強を行なえたのだ。