"春の珍事"とは言わせない!無敗キープの水戸が強豪を抑えて2位にいる理由

カテゴリ:Jリーグ

佐藤拓也

2019年04月04日

ハイプレスをかけながらも、2列目以降のバランスもキープ

7試合でわずか2失点という堅守が水戸の好調を支えている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 開幕から7戦を4勝3分と好スタートを切った水戸。好調の要因はなんといっても、7試合でわずか2失点の堅守にある。「失点していないだけに崩されている場面はたくさんありますよ」と長谷部茂利監督が言うように、まだ守備組織が成熟しているわけではなく、修正すべき点は少なくない。それでもチームとしてのベースとなる戦いを、昨季よりも高いレベルで体現できており、それが結果につながっている。
 
「常に相手のコートで守備も攻撃もして、複数得点して無失点で勝つのが私の理想」と語る長谷部監督が選手たちに求めているのはハイプレス。高い位置からプレスをかけて相手のビルドアップを封じ込めて、押し込んでいく。それが水戸の狙いとする守備である。
 
「昨季と戦術はそんなに変えていない」(長谷部監督)中で昨季との違いとして挙げられるのがファーストプレスをかけるポジションである。昨季、主に2トップを組んできたジェフェルソン・バイアーノ(現・山形)と伊藤涼太郎(現・大分)は得点能力には長けていたものの、守備の献身性が高い選手ではなかった。それもあり、基本的に2トップはボランチを消しながらサイドに追い込むという役割を担い、サイドにボールが回った時にサイドMFがファーストプレスをかけていくというのが水戸の守備であった。
 

 しかし、今季は清水慎太郎と黒川淳史という運動量豊富なふたりが2トップを組んでおり、特に黒川の無尽蔵なスタミナを生かしたプレスがチームの生命線となっている。「守備においても前線からプレスをかけて彼がボールを奪う回数は1試合の中で2~3回あるんですよ。これはリーグの中でトップレベル。スピーディーで展開の速い現代サッカーに非常にマッチした選手」と西村卓朗強化部長が評すように、黒川はチーム戦術の中で大きな存在感を示している。
 
 相手の最終ラインに対して、ボランチへのパスコースを切りながらファーストプレスをかける2トップに合わせて全体が連動していく。昨季までファーストプレスの役割を担っていた両サイドMFの守備のスタート位置はより低くなり、4バックと中盤の4枚で2ラインを保った状態から守備をはじめることができている。ゆえに、勢いを持ってプレスをかけながらも、2列目以降はバランスを崩さずにゾーンで守備をする場面を多く作れている。
 
【関連記事】
18年ぶりの”千葉弾”に「みなさんただいま!」復帰後初ゴールを挙げた佐藤寿人が仲間に感謝
柏、開幕4連勝後の“足踏み”はなぜ起きたのか。ネルシーニョ監督の要求に選手の反応は?
「このレベルを知りに来た」パリSGの”怪童”エムバペとの対戦を終え、昌子源が感じたことは…
韓国代表エースの挑発行為にコロンビア・メディアが怒り心頭!「呆れたジェスチャー!」「自らの成果を台無しに」
【J1ベストイレブン】娯楽性溢れる打ち合いの主役!! 神戸の元独代表アタッカーを今節MVPに!|5節

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ