原点はストリートサッカー。ケニアでの飛躍のきっかけは――。
※本記事のインタビューは7月24日に実施
昨季のJ1後半戦、報道陣の間でよく訊かれる言葉があった。
「オルンガって何者?」
昨年8月に加入し、ミカの愛称で親しまれたストライカーは、23節の磐田戦でデビューを飾ると、24節の長崎戦で初ゴール。28節の浦和戦では日本代表の槙野智章をものともしない"モンスター級"のフィジカルを発揮し、足もとの技術の高さも見せつけた。
ケニア人初のJリーガーは、チームメイトから「真面目」と評される。昨季は徐々に注目度を上げたが、10試合中先発は4試合、3ゴールという成績でJ1初挑戦は終わった。
戦いの舞台がJ2に移った今季、25節終了時点でチームトップの8得点。本領発揮しつつある大型ストライカーは一体、何者なのか。オルンガの稀有なキャリアを辿りながら、ケニア人FWの真髄をインテリジェンス溢れる言葉から探っていく。
――――――
オルンガの生まれた1994年は、ストリートサッカー出身のロマーリオが、大会MVPに輝く活躍でブラジルをアメリカ・ワールドカップ優勝に導いた年だった。サッカーが大好きな父の下でオルンガも育った。
「気づいた時にはサッカーに熱中していました。アフリカではサッカーができる環境が整っていなかったから、僕の原点もストリートサッカー。そこは、ブラジルに通ずる部分があるかもしれませんね」
昨季のJ1後半戦、報道陣の間でよく訊かれる言葉があった。
「オルンガって何者?」
昨年8月に加入し、ミカの愛称で親しまれたストライカーは、23節の磐田戦でデビューを飾ると、24節の長崎戦で初ゴール。28節の浦和戦では日本代表の槙野智章をものともしない"モンスター級"のフィジカルを発揮し、足もとの技術の高さも見せつけた。
ケニア人初のJリーガーは、チームメイトから「真面目」と評される。昨季は徐々に注目度を上げたが、10試合中先発は4試合、3ゴールという成績でJ1初挑戦は終わった。
戦いの舞台がJ2に移った今季、25節終了時点でチームトップの8得点。本領発揮しつつある大型ストライカーは一体、何者なのか。オルンガの稀有なキャリアを辿りながら、ケニア人FWの真髄をインテリジェンス溢れる言葉から探っていく。
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オルンガの生まれた1994年は、ストリートサッカー出身のロマーリオが、大会MVPに輝く活躍でブラジルをアメリカ・ワールドカップ優勝に導いた年だった。サッカーが大好きな父の下でオルンガも育った。
「気づいた時にはサッカーに熱中していました。アフリカではサッカーができる環境が整っていなかったから、僕の原点もストリートサッカー。そこは、ブラジルに通ずる部分があるかもしれませんね」
メキメキと実力をつける一方で、「高校の成績は良かった」と文武両道を貫き、13年にケニア技術大に入学。同時にケニア1部リーグのタスカでプロキャリアをスタートさせた。
「タスカは12年にリーグ優勝をして、経験豊富な良い選手がたくさんいました。そんなクラブでプロになれて嬉しかったけど、なかなか先発では出られなくて。
でも翌年、ティカ・ユナイテッドに移籍して、10ゴールを挙げた。中堅クラブだったけど、自分の知名度が上がったのはその頃かな。
おかげで15年には国内で人気があるゴールマヒアに加入できて、そこで力を出せた。28試合で19得点を決めて年間MVPに輝き、初の代表招集もその年。チームも無敗でリーグ優勝した。
もちろん、大学での勉強も続けていたよ[編集部・注/地理空間工学を学び、工学士の資格を取得]。僕を応援してくれるサポーターは、そんな文武両道な僕の姿勢を評価してくれて、『エンジニア』というあだ名をつけてくれたんだ」
「勉強熱心で、頭も良いんですね」と投げかけると、ミカは「たぶんね」といたずらっぽく笑った。
「タスカは12年にリーグ優勝をして、経験豊富な良い選手がたくさんいました。そんなクラブでプロになれて嬉しかったけど、なかなか先発では出られなくて。
でも翌年、ティカ・ユナイテッドに移籍して、10ゴールを挙げた。中堅クラブだったけど、自分の知名度が上がったのはその頃かな。
おかげで15年には国内で人気があるゴールマヒアに加入できて、そこで力を出せた。28試合で19得点を決めて年間MVPに輝き、初の代表招集もその年。チームも無敗でリーグ優勝した。
もちろん、大学での勉強も続けていたよ[編集部・注/地理空間工学を学び、工学士の資格を取得]。僕を応援してくれるサポーターは、そんな文武両道な僕の姿勢を評価してくれて、『エンジニア』というあだ名をつけてくれたんだ」
「勉強熱心で、頭も良いんですね」と投げかけると、ミカは「たぶんね」といたずらっぽく笑った。