【セルジオ越後】メルカリのアントラーズ買収、不安もある一方でイニエスタ級のタレント獲得にも期待したい

カテゴリ:Jリーグ

連載・コラム

2019年08月09日

すでに巨額の赤字が報じられているメルカリだが…

これまで20冠を獲得してきた名門・鹿島の経営権がメルカリに移った。(C)SOCCER DIGEST

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 メルカリがアントラーズの筆頭株主になると発表されたね。株式譲渡が実行される8月30日に経営権を取得するようだ。正直に言えば時間の問題だった、という印象だよ。

 歴史を遡ると、アントラーズは1991年に住友金属サッカー団を母体として発足され、2012年に住友金属が新日本製鐵と統合(新日鐵住金→現・日本製鉄)した後も筆頭株主を務めてきた。それを今になって手放したけど、実は似たような例が過去にもある。
 
 今でこそ楽天のイメージが強いヴィッセルも、元を辿れば前身は川崎製鉄水島サッカー部。時代の流れに沿って、立ち上げの製鉄会社がメインスポンサーから身を引き、総合スーパーのダイエーを挟んで、最終的にはIT企業へと移っている。

 その例を踏まえれば、日本製鉄がすべてを手放したわけではないけど(持ち株比率は、メルカリが61.6%で筆頭株主となり、日本製鉄が11.0%、地方自治体が10.8%、その他企業が16.6%となる)、アントラーズの経営権がメルカリに移るのも時間の問題だった、と感じるんだ。むしろ、サッカーと縁の遠いように見える製鉄会社が、よくここまでサポートしてくれていたと思うよ。

 結局、日本サッカーは企業スポーツなんだ。会社として収益につながらないと判断されれば経営権を手放され、儲かっている企業がそれを拾う。「プロ」と言うよりも、そんな背景が見え隠れするよね。今までも、そういう親会社の撤退によって、ピッチ内にも影響が及んだクラブはいくつもあった。

 Jリーグ初代チャンピオンに輝いたヴェルディは、1998年に読売グループが経営から撤退してから低迷した。フリューゲルスは出資会社の佐藤工業が本業の経営不振によりチーム運営から退き、横浜マリノスと合併している。事実上、クラブは消滅してしまった。
 
 日本サッカーは経済の流れに少なくない影響を受けてきている。すでに巨額の赤字が報じられているメルカリだって、さらに業績不振が進めば、アントラーズを手放さないか心配だよ。

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