[J１20節]川崎３-１大分／７月27日／等々力
 
　リーグ３連覇を目指す川崎の勢いが増している。７月27日に迎えた大分とのJ1・20節は序盤こそ苦戦し、後半に一度追い付かれたものの、突き放して３-１で勝利。４試合連続でドローだったホームでは、10節の仙台戦以来の勝点３を手にし、リーグ戦はこれで15戦負けなし。消化試合がひとつ少ないなかで、首位FC東京との勝点差を４に縮め、いよいよその背中が見えてきた。
 
　大分戦は序盤に相手のワイドな攻撃に手を焼いたが、25分ごろに導入された“飲水タイム”で、鬼木達監督、そして選手たちがしっかり話し合い、守備のやり方を修正。前から果敢に奪いにいっていたやり方を、割り切ってブロックを敷くところは敷き、大分の攻撃に対応。相手の出方に応じて振る舞える懐の広さは、今の川崎の強さの秘密と言えるだろう。
 
　さらに大分戦では２試合続けての先発となった下田北斗が前節のFC東京戦同様に奮闘し、齋藤学のゴールをアシスト。ユースから昇格して３年目の田中碧の成長も著しく、齋藤、阿部浩之らアタッカー陣の調子も上がってきた。この日は昨季のJリーグMVPの家長昭博がベンチに回る豪華な陣容で、選手層の厚さも随一と言える。
 

　そのなかで周囲の選手とともに、評価を高めているのが、ジェジエウと谷口彰悟のCBコンビだ。４月末のトレーニングで左膝に重傷を負った（全治４か月）奈良竜樹に代わってレギュラーに昇格したジェジエウは、圧巻のスピードとパワーで好パフォーマンスを披露。さらにその傍らでジェジエウがプレーしやすいよう気を使う谷口の“いぶし銀”のディフェンスも見逃せない。
 
　大分戦は１失点を喫した。１-０で迎えた54分に、大分のボランチ長谷川雄志に中盤のプレスを掻い潜られると、そのスルーパスに藤本憲明に抜け出される。そして谷口が藤本の対応に走ったものの、タイミングを外されクロスを送られると、最後は中央でのジェジエウのカバーも間に合わずにオナイウ阿道に決められた。