「絶対外されないような存在になっていきたい」
6月度のJ2リーグでリカルド・ロドリゲス監督が月間優秀監督賞に、岩尾憲が月間MVPに選出された。同月の徳島ヴォルティスはチームとしても5試合で4勝1分の好成績を残し、一気に順位を上げた。両者とも受賞に際して「チーム」に関するコメントを残しているが、今の徳島は突出した“誰か”が牽引しているのではなく、全ポジションで様々な選手のドラマがある。
そのひとつが、ビルドアップで違いを作っている内田裕斗だ。11節の京都戦(△0-0)からフルタイム出場を続けており(23節終了時点)、攻撃の始発点として復調の兆しをチームに呼び込んでいる。
そのひとつが、ビルドアップで違いを作っている内田裕斗だ。11節の京都戦(△0-0)からフルタイム出場を続けており(23節終了時点)、攻撃の始発点として復調の兆しをチームに呼び込んでいる。
内田裕は影で様々な苦労を経験してきた選手だ。ガンバ大阪から2015年に徳島へ加入して16年には完全移籍を果たし、長島裕明監督(現・松本山雅FCヘッドコーチ)体制の下で不動の左ウイングバックに定着。ただ17年のロドリゲス監督体制になってからは途中出場の役回りが増え、悔しそうな表情を覗かせる日々が続いていた。
しかし、その時間を無駄にすることなく、自らのプレーと向き合ことで「今はロドリゲス監督体制になって3年目の中で、チームとして必要とされていると一番感じている。使ってもらっている時に、しっかり結果を残して絶対外されないような存在になっていきたい」と話す。
その内田裕がもっとも影響を受けた選手について話す機会があった。その選手とはG大阪時代の先輩であり、徳島へ同時期に移籍した佐藤晃大だ。「いつもきっかけになるのは佐藤くん。佐藤くんは覚えているかどうか分かりませんが、(徳島の加入初年度に)ポゼッションの練習で全然上手くいかなかったことがあります。その時に、初めて佐藤くんに怒られました」。まず、その話を聞いたときに物静かで縁の下の力持ちの役回りのような佐藤が“怒る”ことがあるのだと意外な一面を知った。