西野朗代表監督も気掛かり!? タイの強豪ムアントン・Uが一時リーグ最下位で二度の監督解任… 試練を迎えた名門のリアルな現状

カテゴリ:Jリーグ

佐々木裕介

2019年07月23日

4月に抜擢されたユン・ジョンファンも立て直せず2か月で解任

昨季まで広島に所属したティーラシン(10番)が復帰したムアントン・ユナイテッドだが、今季は不調に喘いでいる。この数年でチャナティップやティーラトンといったタイ代表の主軸が離脱した影響もあるか。(C) REUTERS/AFLO

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 ファンは実に正直だ。愛するチームの弱いところなんぞ見たくないのだろう。観客はまばらで、あの真っ赤に染まった活気溢れたスタジアムの雰囲気は今はない。
 
 直近10年間でリーグ優勝4回。2017年シーズンのACLグループステージ、鹿島とやり合いベスト16へ勝ち上がった記憶を鮮明に覚えている。しかし……、“宿敵”ブリーラム・ユナイテッドとリーグを引っ張ってきたムアントン・ユナイテッド(以下、ムアントン・U)のリアルな現状がここにある。
 
 すでに今季、二大カップ戦からは姿を消している(タイFAカップ3回戦敗退、リーグカップ1回戦敗退)。またリーグ戦も一時は最下位が定位置となるなど、苦しい状況が続いた。
 
 今季始めから指揮を執っていたパイロ・バエ監督を4月初めに成績不振で解任、後任に昨年までC大阪を率いたユン・ジョンファンを招聘するも立て直せず2か月で解任。6月中旬には今季3人目として“大金”を提示してタイU-23代表の指揮を執っていたブラジル人指揮官、アレシャンドレ・ガマ監督を引き抜いた格好だ。また夏の移籍市場では即戦力となりそうな選手を搔き集めた。
 
 終いには、マンチェスター・シティなどの運営法人であるシティ・フットボール・グループが“今が買い時”とばかりに買収に動いている報道まで飛び出す始末。「売却するつもりはまったくない」と公式声明を出し火消しに躍起だが、火の無いところに煙は立たず。タイサッカーを牽引してきた風格を感じられない体たらくぶりには皆が首を傾げている。
 
 しかし、だ。ここへきて光明も差し掛けている。今季19節終了時点では、7勝3分け9敗で勝点24、16チーム中9位。ここ5試合は負けなしで、勝点を“13”上澄みしてこの順位まで上がってきた。これもひとえにアレシャンドレ・ガマ監督の手腕によるところが大きい。
 
 2014年に来泰した指揮官は、タイ国内の名高いクラブで監督を歴任してきたことで国内事情を熟知しており、チームを立て直す秘策が見えていたのかも知れない。彼が就任してからチーム状況が上向いたことは明白だ。
 
 しかし、試合内容には未だに気に掛かる部分も多い。特に守備陣の緩慢さは気掛かりでならない。相手に絶対にやらせてはならない局面で、身体を張れていないシーンを目にすることが多く、ここまでの低迷の理由の一端が垣間見えるのだ。
 

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