スピーチの全内容を公開
2019年6月29日にFC東京が横浜を4-2で下した試合後、「タケフサ・コール」が起こるなかで久保建英(レアル・マドリ―に移籍)の壮行セレモニーが行なわれた。久保がプロとして在籍したクラブ同士の対戦で愛するファン・サポーターへ挨拶できる機会を設けられたことは、ある意味奇跡なのかもしれない。
FC東京の選手がピッチの外から見守るなか、久保は次のようなスピーチを行なった。
「みなさんこんばんは。久保建英です。まずは横浜F・マリノスのファン・サポーターの皆さま、さっき(VTRの中で)自分のJ1初ゴールが流されなくてブーイングされたと思いますが、あとで自分のほうから言っておきます。(横浜にいたのは)半年間という短い間でしたが、自分がこうやってここに立っているのは正直に言いますけど、マリノスに半年レンタルに出たことが大きかったと思います。感謝しかありません。
改めまして、元FC東京の久保建英です。自分が日本に帰ってきてから今までほぼずっと東京でやってきて、最初はあんまり練習とかも行きたくなくて結構辛い時期もありましたけど、むさしに入って、むさしのみんなが仲良くしてくれて、飛び級でユースに上がり、ユースの皆も仲良くしてくれた。そのあとトップチームに上がってそこでも皆に助けてもらって今の自分があると思っています。
あんまりに何を話すか決めてこなかったですが、映像とかみて思うことはたくさんありますし、こうやって雨のなかたくさんの人たちが自分のセレモニーを見にきているかどうかは分かりませんが、足を運んでくれたことには感謝しています。良いことばかりではなかったですが、自分の力もあり、皆の力も借りて、こうしてサッカー選手として東京を背負って世界に羽ばたいて行けることを非常に誇らしく思います。
雨のなか長々とすいません。これからはFC東京の久保建英ではなくなりますが、FC東京に在籍した選手として誇りを背負って、辛いこともあると思いますが。今日流れた映像をもらえると思うので、それを見て元気を出します。東京に来てから3年半、4年ぐらいだと思いますが、非常に濃い時間だったと思いますし、苦渋の決断ではありますが、自分の決断に誇りを持ちたい。東京での時間を一生忘れません。本当にありがとうございました」
スピーチ後、味の素スタジアムは割れんばかりの拍手に包まれた。それはそうだろう。FC東京での今季ここまでの活躍は、青赤軍団のファン・サポーターなら誰もが認めるところ。「決めてください」というメッセージ付きのパスでジャエルのゴールをアシストした鳥栖戦、自ら2得点を奪って勝利に大きく貢献した大分戦……。今季、久保の素晴らしいパフォーマンスを一つひとつ挙げるときりがないが、もっとも印象的なプレーは磐田戦での決勝弾だろう。
0-0で迎えた終盤の84分、CKの流れからこぼれ球を左足の豪快ボレーで名手カミンスキーの頭上を抜いた一撃はインパクト抜群。ここから久保がリーグ戦でコンスタントにゴールを重ねるようになった事実を見ても、重要な一発だったことが分かる。
磐田戦で劇的なゴールを挙げた舞台が、この日お別れのスピーチをした味の素スタジアムだった。そうした縁起のいい場所から、スペインへと旅立つ久保。FC東京、横浜で活躍した姿を、ファン・サポーターは絶対に忘れない。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
FC東京の選手がピッチの外から見守るなか、久保は次のようなスピーチを行なった。
「みなさんこんばんは。久保建英です。まずは横浜F・マリノスのファン・サポーターの皆さま、さっき(VTRの中で)自分のJ1初ゴールが流されなくてブーイングされたと思いますが、あとで自分のほうから言っておきます。(横浜にいたのは)半年間という短い間でしたが、自分がこうやってここに立っているのは正直に言いますけど、マリノスに半年レンタルに出たことが大きかったと思います。感謝しかありません。
改めまして、元FC東京の久保建英です。自分が日本に帰ってきてから今までほぼずっと東京でやってきて、最初はあんまり練習とかも行きたくなくて結構辛い時期もありましたけど、むさしに入って、むさしのみんなが仲良くしてくれて、飛び級でユースに上がり、ユースの皆も仲良くしてくれた。そのあとトップチームに上がってそこでも皆に助けてもらって今の自分があると思っています。
あんまりに何を話すか決めてこなかったですが、映像とかみて思うことはたくさんありますし、こうやって雨のなかたくさんの人たちが自分のセレモニーを見にきているかどうかは分かりませんが、足を運んでくれたことには感謝しています。良いことばかりではなかったですが、自分の力もあり、皆の力も借りて、こうしてサッカー選手として東京を背負って世界に羽ばたいて行けることを非常に誇らしく思います。
雨のなか長々とすいません。これからはFC東京の久保建英ではなくなりますが、FC東京に在籍した選手として誇りを背負って、辛いこともあると思いますが。今日流れた映像をもらえると思うので、それを見て元気を出します。東京に来てから3年半、4年ぐらいだと思いますが、非常に濃い時間だったと思いますし、苦渋の決断ではありますが、自分の決断に誇りを持ちたい。東京での時間を一生忘れません。本当にありがとうございました」
スピーチ後、味の素スタジアムは割れんばかりの拍手に包まれた。それはそうだろう。FC東京での今季ここまでの活躍は、青赤軍団のファン・サポーターなら誰もが認めるところ。「決めてください」というメッセージ付きのパスでジャエルのゴールをアシストした鳥栖戦、自ら2得点を奪って勝利に大きく貢献した大分戦……。今季、久保の素晴らしいパフォーマンスを一つひとつ挙げるときりがないが、もっとも印象的なプレーは磐田戦での決勝弾だろう。
0-0で迎えた終盤の84分、CKの流れからこぼれ球を左足の豪快ボレーで名手カミンスキーの頭上を抜いた一撃はインパクト抜群。ここから久保がリーグ戦でコンスタントにゴールを重ねるようになった事実を見ても、重要な一発だったことが分かる。
磐田戦で劇的なゴールを挙げた舞台が、この日お別れのスピーチをした味の素スタジアムだった。そうした縁起のいい場所から、スペインへと旅立つ久保。FC東京、横浜で活躍した姿を、ファン・サポーターは絶対に忘れない。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)