監督不在も公式戦2連勝! ドイツ代表の世代交代を成功させている原動力は?【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2019年06月16日

代表戦を見守るサポーターたちを高揚感が包んだ

主将はノイアーが務め、リロイ・ザネやヨシュア・キミッヒらが先発に名を連ねた。 (C)Getty Images

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 6月の代表週間でベラルーシにアウェーで2-0、エストニアはホームで8-0と快勝したドイツ。対戦相手が強豪ではないというのは誰もがわかっている。だが、スタジアムに訪れたファンが、そしてテレビの前で観戦していたファンが、久しぶりに代表から高揚感を感じられたことが大事だ。

 正直、ドイツ代表の試合を見てここまでワクワクしたのはいつ以来だろうか。ただ勝ったというだけではなく、試合内容も、選手の試合への意気込みも素晴らしかったのだ。

 特にエストニア戦の前半はすごかった。ボール支配率は81%。開始からほとんどの時間帯を相手陣内で過ごし、数分刻みにチャンスを作り出していく。5-0で折り返したが、それこそ2桁得点となっていても不思議ではないほど圧倒的な展開だった。

 もちろん、ベラルーシ、そしてエストニアという世界トップレベルではない国に快勝したことが基準となるわけではない。だが、ドイツに何よりまず必要なのは手応えであり、自信だった。

 ベラルーシ戦後、怪我でベンチ入りできなかったヨアヒム・レーブに代わり指揮をとったオリバー・ゾルクヘッドコーチは「選手とも話したのだが、今はチームの安定を求めた。オランダ戦に勝利した3バックに手応えを感じていたので、まずはそこをベースにより安定感を高めていくため、大きな変更なく試合に臨んだ」と試合の位置付けを説明していた。

 どんなチャレンジをするにも、まず大事なのはやはり基盤だ。このまま積み上げていけばきっとうまくいくと思えるだけのものを築かなければならない。

 主軸選手の1人ヨシュア・キミッヒもエストニア戦後のミックスゾーンでこう話していた。

「練習時に時間をかけて、プレーのオートマティズム化に取り組むことができるのは良かったけど、チームが成長していくのは、やっぱり試合の中でだ。勝ち続けるという成功体験は必要になるし、その中で今回2試合連続無失点で勝利できたのは大きいと思う。内容的にもよかった」

 代表の公式戦で大量得点することは、どんなチームが相手でも、簡単なことではない。守備を固めてくる相手にゴールをするのはいつでも難しく、他国の試合結果を見てもそうそう圧勝劇というのは見られなくなってきている。

 そんななかで、90分間一方的に攻め続けて、得点も重ねることができたというのはとてもポジティブに捉えることができる。
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