• トップ
  • ニュース一覧
  • 【現地発】大迫勇也が待望のブンデス復帰を果たした裏で―――ボルシアMGは再起の幕開けを迎えていた。

【現地発】大迫勇也が待望のブンデス復帰を果たした裏で―――ボルシアMGは再起の幕開けを迎えていた。

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2019年04月15日

監督辞任が発表された直後の試合だった

ハードワークが持ち味のクラマーの復帰は、チームの雰囲気を確かに変えた。 (C) Getty Images

画像を見る

 大迫勇也がブンデスに復帰したあの試合、ボルシアMGがブレーメンをホームに迎えた一戦での出来事だ。記者席に、空席を見つけ出した二人の若者がさりげなく座り込んでいた。ちょうど私のすぐ近くだった。ふたりはスタッフにばれないようにできるだけ声を潜めて”記者っぽい空気”を出しながら試合を観戦していた。

 ただ、”その瞬間”だけは感情を抑えることができなかったようだ。

 試合が動いたのは49分、中盤でボールをキープしようとしていたブレーメンのマックス・クルーゼが足を滑らせてボールを失う。そのボールを奪い、フリーでゴール前に抜け出したフロリアン・ノイハウスがGKをかわし、待望の先制ゴールを決めた。

 会場が突き上げるような歓喜の渦に包まれる中、ふたりの若者も立ち上がり、机をたたき、大声で叫び、喜びのガッツポーズを繰り返していた。ふと騒ぎすぎてしまったと周囲を気にしたようだったが、取り越し苦労だった。彼らだけではなくスタジアムのスタッフも一緒になって大喜びしていたのだから。

 19年2月から、ボルシアMGは不調が続いていた。第20節終了時にはバイエルンと同勝点でリーグ2位につけていたが、以降は全く勝てなくなってしまったのだ。27節にはデュッセルドルフにアウェーで1-3と完敗し、順位を5位へと下げた。気がつけば、バイエルンとの勝点差は14にも広がっていた。このままではCLどころかEL出場さえも確かではない。

 この状況からどのように這い上がるのか。チームマネージャーのマックス・エッベルは「最も困難な決断」をしなければならなかった。デュッセルドルフ戦を終えた後の4月2日、今シーズン限りでディーター・へキング監督との契約を打ち切ると発表したのだ。

 そして、ヘキングもその決断を受け止めた。納得できるものではなかったはずだし、怒りですぐに辞任という選択肢もあったろう。だがチームへの、クラブへの、そしてファンへの思いが、最後まで自分の仕事を全うしようという覚悟に変わったのだと思う。

 ボルシアMGの状況は、14-15シーズンのドルトムントに似ている。シーズン序盤からリーグでなかなか勝ち点を積み重ねることができず、残り6試合を残した段階で10位と苦しんでいた。

 ユルゲン・クロップ監督はチームの状況を一変とさせるべく、シーズン終了後に辞任すると決断。これがきっかけとなった。チームはクロップの決意を受け止めた。新たな力が宿った。そこから猛反撃を成功させ、最終的にEL出場を果たしている。
【関連記事】
大迫勇也、ブンデス復帰戦で値千金の同点ゴールをアシスト! ブレーメンは敵地でボルシアMGと引き分け
浅野拓磨が「起用禁止」のハノーファーは泥沼の8連敗――原口元気がビッグチャンスを作り出すも…
好調ブンデスの2クラブがシーズン終了前に監督交代を決断。そのワケは?【現地発】
「ユウヤを失うことがどれだけの損失か」大迫勇也の復帰戦、ブレーメン指揮官が青ざめた“危険なプレー”に言及
大迫勇也が先発復帰、63分までプレーし勝利に貢献。ブレーメンは2019年未だ負け無し、暫定6位に浮上!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2025年7月号
    6月10日(火)発売
    今、面白いクラブを総力特集‼
    ファジアーノ岡山
    徹底読本
    クラブが辿った奇跡のストーリーに迫る
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年7月3日号
    6月19日発売
    新生レアル・マドリー完全攻略読本
    シャビ・アロンソ新体制が始動
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ