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【U-18高円宮杯】史上最弱の世代が前年度王者を撃破!好スタートを切った神戸の立役者は2年生MFだ

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2019年04月08日

技巧派レフティが一線を画すプレーを披露!

佐伯(10番)は守備で奮戦し、相方のU-17代表ボランチ山内をサポート。タフさが増し、飛躍の予感を漂わせた。写真:森田将義

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 プレミアリーグWESTを2度制覇し、毎年のように同リーグで上位に進出。FW小川慶治朗を筆頭にトップ昇格者も数多く輩出し、西日本を代表するアカデミーのひとつである神戸U-18だが、今年の前評判は決して高くない。「就任して以来、最弱」という野田知監督の言葉は嘘ではなく、シーズン前はボールを動かす神戸らしいスタイルが見られる試合が少なかった。
 
 WESTの頂点に輝いた2年前の代も技術面で同じく「最弱」という評価を受けながら、彼らの場合はメンタルとフィジカルの強さがあったが、今年は「取り組む姿勢や勝ちにこだわる姿勢が低い。練習試合で負けてもヘラヘラしている典型的な弱いチーム」(野田監督)。 

 新チームを立ち上げた当初は普段は温厚な野田監督が練習の準備が一切できていないことに激怒し、急遽練習を中止させたこともあったという。3月末の国際親善大会「ガバナーカップ」も1勝2敗。指揮官が毎年のように口にする「目標は残留」という言葉も現実味があった。
 
 しかし、4月7日に行なわれたプレミアリーグWESTの開幕戦で見せたのは、戦前の不安を吹き飛ばす堂々とした勇ましい戦いぶりだった。

「最初から飛ばさないとやばいと思っていた」と振り返るMF山内翔(3年)と佐伯清之助(2年)を中心にテンポよくボールを動かし、前年王者の広島ユースに対して試合の主導権を握る。

 アタッキングサードではスピードのあるFW臼井勇気(3年)と小田裕太郎(3年)が果敢な仕掛けを披露。これまでは押し込みながらもゴールネットを揺らせない点が課題だったが、24分には左CKからDF東田正樹(3年)がヘディングで先制点をマーク。32分には山内が見事なミドルシュートを叩き込み、2点差で試合を折り返した。
 
「パーフェクトと言えば言い過ぎかもしれないけど、うちがやりたいことはできていた。今シーズンで一番良かった」(野田監督)という前半で、特に印象的だったのは佐伯のプレーだ。

 ルーキーだった昨年も開幕戦からスタメン出場を果たした左利きテクニシャンながらも、どこかひ弱な印象があった。だが、「プレミア開幕ということでいつも以上に気合が入っていた」と口にするこの日はパスワークに積極的に関与しつつ、機を見ては力強い突破を仕掛けて、アクセントを加えた。
 
 また、「山内君に攻撃に専念してもらうためにも自分が守備で助けたい」とボールがない場面でも奔走。その逞しさは、「今まで一番足りなかったタフさが2年生になって、ついてきた。彼がフィジカル的に強くなればもっと良いプレーができると思う」と指揮官が称えるほどだった。
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