【現地発】R・マドリーのCL敗退は必然…ペレス会長の「横暴」のツケを払わされた

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2019年03月09日

“栄光の7番”を出戻り選手に譲渡。

CL4連覇の夢が絶たれたマドリー。4シーズンぶりの無冠が確定的だ。(C) Getty Images

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 レアル・マドリーは、過去5年で4度のチャンピオンズ・リーグ(CL)制覇を成し遂げたヨーロッパの絶対王者だ。しかし、そんなクラブであっても、遵守しなければならない不文律がある。これだけの華々しい成功を収めたのだ。盲目になってしまう部分もあるだろう。しかしだからこそ問われるのは、トップに立つ人間の冷静かつ客観的なマネジメントだ。

 フロレンティーノ・ペレス会長をはじめとするマドリーの上層部は、欧州制覇に満足することなく、先を見通して決断を下す必要があった。賢明なジネディーヌ・ジダンが昨シーズン限りでクラブを去ったのは、フロント内にそうした危機感の欠如を察知したからだった。そして今まさに、ジダンが懸念した通りのことが起こっている。

 4連覇を狙ったチャンピオンズ・リーグではアヤックスにまさかの逆転負けを喫し、コパ・デル・レイでもバルセロナに屈した。そして、そのバルサに12ポイント差をつけられているラ・リーガの優勝も絶望的な状況だ。
 
 たしかに近年のマドリーは、C・ロナウドの飛び抜けた決定力やセルヒオ・ラモスに代表される土壇場での勝負強さを武器に、CLで圧倒的な結果を残してきた。しかし、ジダンはそれでも満足はしていなかった。日々の努力や積み重ねが不可欠な長丁場のラ・リーガこそ、真のチーム力が問われるコンペティションであると理解していたからだ。

 ヨーロッパでの成功に酔いしれてしまったペレス会長は、それこそやりたい放題に振る舞った。もちろん、近年のマドリーの成功は、現場だけでなくフロントの功績も大きい。とはいえ、それによって何をやっても許されると勘違いをしてしまったのは問題だ。

 例えば、スポーツ・ディレクターが不在でもお構いなし。ジダンが退任すれば、アントニオ・コンテ、ユルゲン・クロップ、ヨヒアム・レーブと大物指揮官へ手当たり次第にアプローチをかけ、そのいずれにも振られると、スペイン代表を指揮していたジュレン・ロペテギを強引に引き抜いた。

 補強に関しても、だ。GKにはCL3連覇に多大な貢献を果たしたケイラー・ナバスがいるにもかかわらず、ティボー・クルトワの補強を独断で進めた。

 また、特大のポテンシャルを秘めたキリアン・エムバペよりも、広告塔としての人気で大きく上回るネイマールの獲得にこだわり、パリ・サンジェルマンが一向に折れないとみるや、一線級とはとても言えないカンテラ出身のマリアーノ・ディアスをリヨンから買い戻してお茶を濁している。

 おまけに、マリアーノのためにわざわざ本拠地サンティアゴ・ベルナベウでの入団プレゼンテーションをセッティングし、その場で7番を与えている。アマンシオ・アマロ、ファニート、ラウール・ゴンサレス、そしてC・ロナウドが背負った“栄光の番号”をだ。
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