【独占告白】東慶悟が思い描く理想の10番像と今季期待の若手は?

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2019年03月05日

背番号10の重さは理解している

インタビュー取材に快く応じてくれた東。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 今季のJ1リーグ2節、アウェーの湘南戦でゴールを決めるなど早くも存在感を示している東慶悟。新10番にして新キャプテンという重責を担う彼はどんなスタンスでリーグ戦に臨もうとしていたのか。今季に懸ける意気込みを聞いてもらいたい。

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 2019年1月12日に開催されたFC東京の新体制発表会で注目されたのが、「梶山陽平の背番号10を引き継ぐのは誰か」だった。そして、約500人のファン・サポーターが詰めかけたその会場(三鷹市公会堂)で発表された“後継者”が東慶悟だった。誰あろう、梶山たっての希望でそうなったという。
 
「『慶悟につけてほしい』と言ってくださったので、『是非』という感じでした。断る理由はなかったし、むしろ嬉しかったです」
 
 新10番誕生から1か月──。沖縄キャンプを経て、エースナンバーを背負う実感は湧いてきたのだろうか。インタビュー取材に応じてくれた2月15日にそれを訊いてみた。
 
「(公式戦で)まだプレーしていないので、実感みたいなものは分からない(笑)。ただ、梶山さんが長年付けていた番号で、その重さは理解しています。だから、しっかりと責任を背負ってプレーしたいです」
 
 東が10番を付けるのは2012年のロンドン五輪以来。その世界大会では関塚隆監督の下、トップ下で躍動し、日本のベスト4入りに大きく貢献した。しかし、当時は背番号にほとんど関心がなかった。
 
「若かったので、背番号の大事さを知りませんでした。今こうして10番になってみると、改めて気が引き締まります。オリンピックの時とは全然違いますね」
 
 “東・10番”を受けての周りの反応は「二通りある」という。
 
「ひとつは『やっぱり慶悟だよね』で、もうひとつは『10番っぽくない』。僕自身はどっちも『そうだな』と思います。いずれにしても、10番のような仕事をしていきたい」
 
 10番のような仕事──。東が思い描く理想の10番像は、あのジネディーヌ・ジダンだ。
 
「10番と言えばトップ下で司令塔。ジダンみたいなイメージです。子どもの時から憧れの存在で、とりわけ印象に残っているのが2006年のドイツ・ワールドカップ。フランスを準優勝に導いた活躍は素晴らしかったですよね」
 
 ただ、ジダンのプレーを真似ようとは思わない。
 
「僕はひとりで10人抜いてシュートを打てる選手ではない。ハードワークを生かしてラストパスを出す、もしくはゴール前に走り込む。そういうプレーを継続してやっていきたい。昨季の後半戦はチームも僕もゴールを効率よく奪えなかったので、そこもチャレンジしたいです」
 
 昨季のFC東京は9~21節まで2位をキープするなど優勝戦線に絡む時期があった。4~5月は2トップのディエゴ・オリヴェイラと永井謙佑が絶好調で、スピーディかつコレクティブなサッカーでファン・サポーターを魅了。とりわけ、開幕から9戦無敗の広島をホームで粉砕した10節のゲームは印象深かった。
 
 しかし、21節のG大阪戦で後半アディショナルタイムに決勝弾を叩き込まれて敗れると、そのショックを引きずってか、ここからリーグ8戦未勝利と不振に陥った。得点力不足に悩まされ、結局、ACLの出場権獲得(3位以内)も叶わずに6位でフィニッシュ。不本意な結果に終わってしまった。だからこそ、東はゴールにこだわる。
 
「後半戦でなかなか勝てなかった原因は、ゴールを取れなかったところにある。でも、それって人で解決できたりするものです。守備はチーム全体でやらないといけませんが、攻撃はひとりの才能で大きく変わることもあります」
 
 東が得点力アップのためのキーマンに挙げたのは、ふたりの若手。横浜から復帰した久保建英と、鳥栖から完全移籍で加入した田川亨介だ。
 
「ふたりとも左利きで、独特のリズムを生み出せる。彼らみたいなレフティが中盤や前線にいると、やっぱり違うなというか、面白い。右利きの選手とは別の視野を持っていて、パスやシュートコースもかなり変わってきますからね。チームに“幅”をもたらす存在です」
 
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