今季からFC東京で10番を背負い、キャプテンも任された東慶悟。大分トリニータでプロのキャリアをスタートさせた彼はロンドン五輪で活躍し、大宮アルディージャの中心選手としても活躍するなど、一流に近いキャリアをここまで歩んできた。
 
　しかし、そんな東もワールドクラスのタレントを前にすると“ひとりのサッカーファン”になってしまうようだ。今季のＪ１全18クラブの監督、選手が一堂に会した２月14日のキックオフカンファレンスに出場した彼は、そのイベントで共演したアンドレス・イニエスタ（ヴィッセル神戸）に記念撮影をお願いしたのである。
 
「選手の控室で写真を頼んだら、快く一緒に撮ってくれて。（イニエスタは）人間的にも素晴らしいなと。そういうスタンスもワールドクラスだなって思いました」
 
　そう語る東は無邪気な子どものように「こんなチャンスはないんで、頼んじゃいました」と軽快に笑う。ちなみに、フェルナンド・トーレスとも記念撮影をしたという。
 
「（イニエスタやＦ・トーレスが）ビッグクラブで活躍しているのをテレビで見ていた世代なんでね。そういう選手と同じ空間にいたのは不思議でしょうがない（笑）」
 

　“テレビの中の選手だった”ビッグネームが同じＪリーグのピッチに立つ。ヒーローだった選手が現実世界に現われてしまうという点で一種の寂しさみたいなものは感じないのだろうか。そう訊くと、東は即答した。
 
「そりゃあ、Ｊリーグに来てくれたほうがいいですよ。昨季は対戦していないから、今季は楽しみです。生で世界のプレーを体感できるのは貴重ですよね」
 
　F・トーレス、イニエスタとそれぞれJリーグで再会するのは３月10日のホーム開幕戦、６月15日のホームゲームである。東はいわゆる憧れの選手の前でどんなパフォーマンスを披露するのか。まずは３月10日の鳥栖戦が楽しみだ。

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取材・文：白鳥和洋（サッカーダイジェスト編集部）