監督とSDが同じ方向を見て仕事をしていない?

昨シーズンは欧州カップ戦出場にあと一歩まで迫ったシュツットガルトだが、今シーズンはまた“定位置”に戻ってしまった。16位に沈んでいるなか、前節(写真)でわずかに見えた光明。ここから危機脱出に向けて浮上は成るか!? (C) Getty Images
海外なら、それぞれが自分の意見を口にするのは日常のこと。自分の考えの正しさを理論立てて説明し、それに対して相手が別の切り口から疑問を口にすれば、ぶつかり合いから新しいアイデアが生まれたりもする。だが、それはお互いに相手の意見へのリスペクトがあるから成り立つことだ。
そのあたりでうまくいかなくなってしまったのが、シュツットガルトだ。2月5日、突然、査問委員会役員だったギド・ブッフバルトが、その職からの辞任を発表した。
ブッフバルトは、クラブの名誉キャプテンにも選ばれているレジェンドのひとりだ。そんな彼が、プレスリリースで以下のように、辞任の理由を明かした。
そのあたりでうまくいかなくなってしまったのが、シュツットガルトだ。2月5日、突然、査問委員会役員だったギド・ブッフバルトが、その職からの辞任を発表した。
ブッフバルトは、クラブの名誉キャプテンにも選ばれているレジェンドのひとりだ。そんな彼が、プレスリリースで以下のように、辞任の理由を明かした。
「一晩眠らずに熟考を重ねた結果、シュツットガルトの査問委員会役員から辞任することを決断した。シュツットガルトは私にとって、心のクラブだったし、今もそうだ。それだけに、今回の決断は簡単なものではなかった。
しかし、この前の試合後に関係者のなかで成された批判を受け、信頼関係が崩れ、現在のチーム状況の責任を押し付けられていると改めて感じた」
上層部では、今シーズンに向けて相当の資金をチーム補強に投資したのに、現時点で16位と全く振るわない戦績に慌てふためいている。ブッフバルトはそんな空気のなか、名指しで激しく批判されたという。
だが、ブッフバルトの立場で、何かをしたり、あるいは何かを改善したりすることはできないはず。厳しい状況だからこそ、意見を重ねて解決策を練るべき時に、そうしたいざこざで自分たちを追い込んでしまう……。
さらに騒動は続く。11日には、スポーツディレクター(SD)のミヒャエル・ラシュケが解任された。会長のヴォルフガンク・ディートリヒは、「残念ながら、望まれていたスポーツ面での成果が出ないばかりか、著しく残留の危険に直面している」と理由を説明した。後任には、元ドイツ代表のトーマス・ヒツルスペルガーが就任している。
そして、ラシュケが解任された直後のブンデスリーガ第23節ブレーメン戦の前日監督会見では、マルクス・ヴァインツィールが、「ブレーメンは素晴らしい成長を遂げている。監督とSDが同じ方向を見て仕事をしているからだ。彼らは、クラブが成功するための良い見本だ」と語った。
あたかも、シュツットガルトではそれがないのかと勘繰りたくなるようなコメントだった……。
とはいえ、ヴァインツィール監督の座が安泰なわけではない。現状とここまでの戦績を考えると、いつ解任されてもおかしくない。ヒツルスペルガーSDも、監督の去就に関しては明言していない。それだけに、ブレーメン戦の結果、そして内容が重要だった。