【鹿島|担当記者コラム】内田篤人の“苦言”が、チームをさらに強くする

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェスト)

2019年02月20日

「少しでも彼らのためになったらいいなと思う」

ニューカッスル・ジェッツとの一戦は“温存”。大分とのリーグ開幕戦では、ピッチに立って勝利に貢献したい。写真:滝川敏之

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[ACLプレーオフ]鹿島4-1ニューカッスル/2月19日/カシマ
 
「俺はそうは思わない」
 
 正直な意見だな、と感じた。内田篤人のコメントらしいな、とも。報道陣の質問に対して、内田の受け答えは、あまりオブラートに包まず、本心をそのまま口にする傾向がある。だからなのか、時としてその言葉には、厳しさが伴う場合もある。
 
 冒頭のフレーズは、2007年からの史上初のリーグ3連覇を果たしたチームを引き合いに出して発せられた。内田は当時を「特別に戦術が凄かったわけではない。一人ひとりがサッカーを知っていて、やるべきことも分かっていた」と振り返る。だが、「今はちょっと違う」という。「みんな、若い。ポテンシャルはめちゃめちゃあるけど、あの人たちほどサッカーを知っているかといったら、俺はそうは思わない」と。
 
 同じSBの安西幸輝について訊かれた時も、次のように答えている。
 
「よく走れるし、両足を使えるし、ドリブルもある。でも厳しく要求するなら、守備。本当にそこだと思う。彼はサイドハーフではない。SBだから、もう一個二個、上のレベルに行くためには、やっぱり守備」
 
 もちろん、苦言ばかりではない。安西に関しては、「持っているものはずば抜けていると思うし、俺からすれば羨ましい」と称賛する。チームについても「今週に入ってからの練習では、ちょっとピリッとした部分があった。緊張感のある練習ができるんだって。なんとなくこう、強度が上がっていった気がする」と語る。
 
 良いところは良いとはっきり言う。その逆もまた、しかり。曖昧な表現でごまかさないのは、それだけ真剣に、チームを、若手を、もっともっと上に引き上げたいからだろう。
 
「(小笠原)満男さんがいなくなって、難しいと思う」と吐露する。「だから、嫌な時にキャプテンになったなって」とうそぶく。そんな言葉だけは、本心ではないはず。大役の責任を十二分に感じているからこそのジョークだ。
 
 ニューカッスル・ジェッツとのACLのプレーオフは、ベンチ入りはしたが、出番はなかった。タッチライン際でアップする内田は、その側まで選手が近づけば、両手を叩いて鼓舞するし、身振り手振りで指示を出したりもする。水を運ぶ姿もあった。「身体が戻り切っていないなかで、なるべくグラウンドで示したいとは思う。そこは葛藤がある」と正直に話すが、どんな状況に置かれても、自分にできることはすべてやるスタンスに変わりはない。
 
 鹿島はタイトルを義務付けられているチームだけに、全体の底上げをしなければ、とも考えている。そのために「俺はばんばん教えていく」つもりでいる。
 
「俺がドイツでやってきたものを、なんも言わずに終わらせるのはもったいない。少しでも彼らのためになったらいいなと思う」
 
 その言葉は厳しく響くかもしれないが、すべてはチームのために、「常勝」の伝統を引き継ぐべきこれからの選手たちのために。内田はこれからも“本音”で勝負する。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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