フランス誌編集長に訊いた、堂安律を“若手版バロンドール”候補に選んだ本当の理由

カテゴリ:日本代表

レミー・ラコンブ(フランス・フットボール誌編集長)

2018年10月15日

その名を加えるにあたって、長い議論は起こらなかった

世界的なサッカー専門誌に実力を高く評価された堂安。火曜日のウルグアイ戦で代表初ゴールをマークするか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 正直に言って、異論はまったく出なかった。
 
 私が編集長を務める『France Football』誌の編集局内では先日、年間最優秀若手選手に贈られる「トロフェ・コパ」候補15人(最終的に10名)のリストが作成された、そこにオランダのフローニンヘンでプレーする堂安律の名を加えるにあたって、とくに長い議論は起こらなかった。
 
 たしかに、これほどのリストを作るのだから、ある程度のバランスが求められる部分はある。彼はアジア・フットボール圏を代表する唯一の若手。だが今回、堂安が選ばれたのはそうしたバランスへの配慮が理由ではない。
 
 我々に強烈な印象を与えたのは、ヨーロッパのクラブにやって来た若き日本人フットボーラーが、1年目から活躍して、堂々とその実力を認めさせた点だ。まさしく前代未聞のパフォーマンスだった。
 
 これまではどちらかと言うと、Jリーグで十分に実績を積んだ選手がヨーロッパに上陸してくるのがお決まりのパターン。しかも日本国内で百戦錬磨だった選手でさえ、ヨーロッパの新たな環境に適応・フィットするのに時間がかかるのが常だった。適応できればまだいいほうで、結局は適応できないまま去っていくケースを数多く目撃してきた。
 
 ところが、堂安はどうだったか。まるでずっと前からヨーロッパに住んでいたかのように、あっという間にさらりと先発の座を確保した。勢いのままに駆け抜け、(全公式戦で)10ゴールを叩き出し、4つのアシストを記録してチームの躍進に貢献したのだ。持ち前のドリブルは切れがあり、スペタクルなプレーで観衆を楽しませる。「10番」や司令塔として進化できると思わせる一方で、左右両サイドに置いても実に危険だった。

 
 言うなれば彼は、ヨーロッパの舞台に来たにもかかわらず、まるでいまでもガンバ大阪の少年たちとプレーしているかのように、易々と高質なパフォーマンスを示したのだ。
 
 ヨーロッパにやって来る日本人フットボーラーは、かなりの頻度で臆病さを露呈し、どこかおどおどしがちだ。ヨーロッパのフットボールが突きつけるフィジカルな「アンガージュマン(がっつり噛み合うこと)」に、なかなか馴染めない。
 
 ところが堂安律は、恐れを知らない。そんな目つきをしている。
 
【関連記事】
「全くもって不快だ…」オランダの逸材DFが相手に唾を吐きかけて代表追放! 証拠となったのは独紙の追及
「えー、まじで!?」「会いたかった」イニエスタ一家が今度は関西最強の娯楽施設に登場!
「笑っちゃうほどカワイイ!」韓国女子代表のビーナス、イ・ミナが2か月ぶりに自撮り写真を公開!
フローニンヘン堂安律が元ヴェルディ“異端児”との2ショット写真を公開!「出会いに感謝です」
中島、南野、堂安のトリデンテはウルグアイに通用するのか?新生ニッポンの真価が問われる

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ