「自分たちの力を把握しながら戦わなければならない」
何年ぶりだろうか。岩下敬輔に話を訊くのは。
以前、清水エスパルスを担当していた時は、座りのインタビューはもちろん、試合後のミックスゾーンでも、好んで取材していた選手だ。理由は、いつも“本音”で話してくれるから。ただ、記者が清水担当を離れた後、岩下がガンバ大阪、アビスパ福岡と活躍の場を移すなかで、なかなか取材する機会に恵まれなかった。
10月2日。別件の取材で福岡の練習場を訪れる機会があった。当日は、岩下が全体練習に合流した日でもあった。負傷でしばらく戦列を離れていた男が、昇格レースが熾烈を極めるこのタイミングで、ようやく復帰への足掛かりをつかむ。フィジカル中心のトレーニングでは、肩で息をし、膝に手をつく姿もあったが、精力的にフルメニューをこなしていた。
「今日から合流で、時間はかかりましたけど、(コンディションは)だいぶいいですよ」
どこか親しみやすいぶっきらぼうな口調は変わらない。話す言葉は敬語で、取材者に対して必ず向き合い、目を見て話すのも相変わらずだ。
そして、吐き出す“本音”も――それは文句や不満といった低レベルの類ではない。チームの勝利や、掲げる目標を達成するために、何をすべきかを真剣に考えている岩下なりの厳しさの表われでもある。
以前、清水エスパルスを担当していた時は、座りのインタビューはもちろん、試合後のミックスゾーンでも、好んで取材していた選手だ。理由は、いつも“本音”で話してくれるから。ただ、記者が清水担当を離れた後、岩下がガンバ大阪、アビスパ福岡と活躍の場を移すなかで、なかなか取材する機会に恵まれなかった。
10月2日。別件の取材で福岡の練習場を訪れる機会があった。当日は、岩下が全体練習に合流した日でもあった。負傷でしばらく戦列を離れていた男が、昇格レースが熾烈を極めるこのタイミングで、ようやく復帰への足掛かりをつかむ。フィジカル中心のトレーニングでは、肩で息をし、膝に手をつく姿もあったが、精力的にフルメニューをこなしていた。
「今日から合流で、時間はかかりましたけど、(コンディションは)だいぶいいですよ」
どこか親しみやすいぶっきらぼうな口調は変わらない。話す言葉は敬語で、取材者に対して必ず向き合い、目を見て話すのも相変わらずだ。
そして、吐き出す“本音”も――それは文句や不満といった低レベルの類ではない。チームの勝利や、掲げる目標を達成するために、何をすべきかを真剣に考えている岩下なりの厳しさの表われでもある。
驚かされたのは、昇格争いのライバルを3-1で一瞬した直近の大宮戦に関して、仲間たちの健闘は称えつつ、勝利を喜びはしたが、納得はしていなかったことだ。先制に成功し、同点に追いつかれるも、2点目を奪って突き放し、ダメ押しのゴールも決めるなど、盤石の戦いぶりだったと思うのだが……。
「見てもらったら分かると思うんですけど、大宮戦も紙一重の内容でした。勝点1の可能性はかなり高かったはずです。カウンターを相手は仕留めきれず、こっちは仕留めることができて3-1という数字になりましたけど、“勝ったな”というゲームではなかったと思います」
岩下に言わせれば、今季は上位をキープしているとはいえ、「完勝」したゲームは少ないという。「そういう自分たちの力を把握しながら戦わなければならない。より貪欲に、勝点3を取るために。(大宮戦も)4点目を取らないと」と厳しい表情を見せた。
【PHOTO】イニエスタの祖父、伝説のバー、そして生まれ育った故郷の街並み
「見てもらったら分かると思うんですけど、大宮戦も紙一重の内容でした。勝点1の可能性はかなり高かったはずです。カウンターを相手は仕留めきれず、こっちは仕留めることができて3-1という数字になりましたけど、“勝ったな”というゲームではなかったと思います」
岩下に言わせれば、今季は上位をキープしているとはいえ、「完勝」したゲームは少ないという。「そういう自分たちの力を把握しながら戦わなければならない。より貪欲に、勝点3を取るために。(大宮戦も)4点目を取らないと」と厳しい表情を見せた。
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