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【小宮良之の日本サッカー兵法書】スペイン発:意見の“潰し合い”でなく“ぶつけ合い”のススメ

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年04月10日

異論を楽しむサッカー最高峰国の人々

どんな意見に対しても聞く耳と、受け入れる度量を持つことで、より建設的なやりとりが可能になる。写真は2012年のクライフ。 (C) Getty Images

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『ワールドサッカーダイジェスト』のジャーナル連載を担当して20年目(確かこの春で)になるスペイン人評論家、ヘスス・スアレスは、サッカーに対する熱量が多い男だろう。
 
「もっと良い蹴り方があるぞ!」
 
 道端で壁にサッカーボールを蹴っていた少年に、いきなり指導に及ぶほどの行動力。その熱には、しばしば圧倒される。バーでのサッカー関係者との談義でも、決して譲らず、持論を展開する。

 驚くべきことに、ジョゼップ・グアルディオラのような世界的名将に対しても、少しも恐れずに“諫言”できるのだ。
 
「90分間、攻め続ける必要はない。相手に攻めさせて、カウンターという時間も作るべきだ」
 
 こちらがヒヤヒヤするほど、意見を思うままにぶつける。度胸があるというか、理論に確信があるのだろう。
 
 しばしば、「これだけ言って、よく喧嘩にならないな」と思う。言葉の捉え方によっては、偏見を押し付けているようにも聞こえる。相手が気分を害さないのが、不思議だ。
 
 これが日本だったら、「老害」だの「何様のつもりだ」だの、好きなように指をさされる。ネット社会だったら、必ず“炎上”の標的にされるだろう。批判にかぶせて批判する人が出てきてしまうはずだ。
 
 しかし、スペイン人はその意見を面白がる。スアレスがグアルディオラ、シャビ、ファン・カルロス・バレロン、フラン・ゴンサレス、マウロ・シルバらと信頼関係を築けているのが、その証左だろう。
 
むしろ、一流選手たちの方が、スアレスの意見に傾聴する。あのヨハン・クライフでさえ、そのサッカー観を面白がって、講演会で同席することになった。
 
 ただ、本人はいたって涼しい顔で、相手が子どもでも、クライフでも、同じように接している。
 
「サッカーは全てが正解で、私は自分の意見を言うだけ。何か難しい話をしているわけじゃない。もちろん、違う意見があるのも知っている。その違いを楽しむのもサッカーさ」
 
 スアレスにとって、「炎上騒ぎ」など、到底理解できないのだろう。
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