サッカー界にダルビッシュや大谷翔平が生まれないのはなぜ?U-16代表監督が育成現場の課題を明かす|森山佳郎×岩政大樹#3

カテゴリ:連載・コラム

岩政大樹

2018年03月07日

チーム始動の春先は、わざわざ「勝てないように仕向ける」

ダルビッシュ(写真)のような体格に優れた選手がサッカー界で台頭してこないのは、「サッカー的なところに適応できずに埋もれてしまっているのかもしれない」と森山監督は見ている。(C)Getty Images

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 第3回は、育成の問題点を掘り下げる。なぜ、サッカー界には飛び抜けたフィジカル能力や体格を備えた選手が、なかなか出てこないのか? 森山監督の見解は……。

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岩政大樹
 長く指導される中でいろんな選手を見てきたと思いますが、選手が成長したなと感じるのはどんな時ですか?
 
森山佳郎 簡単に言えば、できないことができるようになったり、プレーの質や強度が上がったり、人間力がついたりする時ですね。それは、見て取れます。
 
 私はだいたい、春は勝てないように仕向けていました。春から上手くいっていると、天狗になってしまうので、わざと入ってきたばかりの1年生をセンターバックに入れたり、選手のポジションを入れ替えたりして、「なんで上手くいかないんだ」と悩ませるようにしていたんです。
 
 そこから少しずつ個人の課題、グループやチームとしての課題を出して成熟させていく。そうして夏を過ぎたあたりに、春先に0-3で負けた相手に勝ったりすると、選手が自信を掴んでグッと伸びたりしました。
 
岩政 あえて勝たせないようなアプローチをするわけですね。そこで負けたら、選手にはどう対応するんですか?
 
森山 「話にならない」と突き放したり、説教したりします。理不尽ですよね(笑)。
岩政 確かに(笑)。ただ、選手たちがサッカーについて考えたり、見る目を深めていく環境を作っているのだと感じます。そういう方法論は勉強されたんですか? それとも実際に指導しながら自分で構築していったんですか?
 
森山 現役時代にお世話になった監督さんや、私が指導者になってから関わった監督さんまで、いろんな方から良いとこ取りをしました。本を読むのも好きだったので、誰かの本が出たと聞くと買ってきてパクりましたね(笑)。
 
 それに、高校の先生方にも仲良くしていただきました。高体連の小嶺(忠敏)先生、古沼(貞雄)先生、松澤(隆司)先生や平(清孝)先生など、いろんな先生方に話を聞きました。夜の懇親会もすごいですからね(笑)。私も好きじゃないけど、嫌いではないから……好きなほうもしれないけど(笑)。だから、自然と先生方の話に触れる機会もありました。ちょっと酒を飲めたのも、そういうところではプラスになったかな。

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