12月30日に開幕する高校サッカー選手権。冬のビックトーナメントは47都道府県の48代表校で争われ、１月８日まで首都圏で熱戦が繰り広げられる。青森山田が連覇を達成するのか、それとも流経大柏が夏冬の２冠を成し遂げるのか。はたまた、新興勢力が新時代の幕を予感させる台頭を見せるのか。今回はサッカーダイジェスト編集部が作成した勢力番付表をもとに、ブロックごとに大会の行方を占っていきたい。
 
【第96回高校サッカー選手権・勢力番付表】
　東　　　　番付　　　西
青森山田　　横綱　　前橋育英
流経大柏　　大関　　東福岡
昌平　　　　関脇　　大阪桐蔭
関東一　　　小結　　長崎総科大附
旭川実　　　前頭一　京都橘
富山一　　　前頭二　神村学園
山梨学院　　前頭三　広島皆実
 
　まず、最初はAブロックだ。

Aブロック・初戦組み合わせ
１回戦（12月31日）
中京大中京（愛知）ｖｓ長崎総科大附（長崎）
清水桜が丘（静岡）ｖｓ高川学園（山口）
北陸（福井）ｖｓ日章学園（宮崎）
関東一（東京B）ｖｓ佐賀東（佐賀）※開幕戦・12月30日
２回戦（１月２日）
青森山田（青森）ｖｓ草津東（滋賀）
流経大柏（千葉）ｖｓ大分西（大分）

　この山の大本命は東横綱の青森山田（青森）。昨年度の選手権覇者は、今年も優勝を狙う力を備えている。U-18日本代表組のFW中村駿太（３年／山形入団内定）とMF郷家友太（３年／神戸入団内定）の２枚看板が軸となり、ポゼッションと堅守速攻を使い分ける戦いぶりは高校屈指のレベル。インターハイこそ３回戦で敗れたが、個で打開できる強さがあり、プレミアリーグＥＡＳＴでは最終節まで優勝争いに絡んだ。

　とはいえ、簡単に勝ち上がれるわけではない。順当に行けば、ベスト16で安藤瑞季（３年／C大阪入団内定）を擁する長崎総科大附（長崎）と相まみえる。仮にここを制したとしても、次のベスト８では最大の難敵・東大関の流経大柏（千葉）と対峙する可能性が高い。

　とりわけ、千葉の雄はタレント数で青森山田に劣るものの、勝負強さと選手層の厚さは大会随一。今年の３年生は１年時に関東などの強豪が集うU-16 Rookie Leagueを制した世代で、10番の菊地泰智（３年）を軸に春先から完成度の高いサッカーで勝利を積み重ねてきた。ここにU-17日本代表のDF関川郁万や熊澤和希などの２年生が融合し、今夏のインターハイは優勝。青森山田と真っ向からぶつかってもやりあえる実力がある。この２チームが準々決勝で顔を合わせるのであれば、今大会の注目カードになるはずだ。

　Ｂブロックは東関脇の昌平（埼玉）が軸となる。

Bブロック・初戦組み合わせ
１回戦（12月31日）
日本文理（新潟）ｖｓ立正大淞南（島根）
旭川実（北海道）ｖｓ宜野湾（沖縄）
秋田商（秋田）ｖｓ神村学園（鹿児島）
昌平（埼玉）ｖｓ広島皆実（広島）
２回戦（１月２日）
遠野（岩手）ｖｓ作陽（岡山）
三重（三重）ｖｓ矢板中央（栃木）

　昌平は最前線に大宮入団内定の佐相壱明（３年）が構え、中盤から最後尾まで足元の技術に優れたプレーヤーを揃えた。直前のプリンスリーグ関東参入戦では３回戦で対峙する可能性がある矢板中央に敗れて課題を露呈したが、１回戦で実力校・広島皆実（広島）を撃破すれば４強入りも夢ではない。その昌平を撃破した矢板中央や夏のインターハイでベスト８に入った旭川実も自力があり、躍進を遂げる可能性がある。

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