【天皇杯】筑波大快進撃の立役者は一般入学の秀才。戸嶋祥郎は「就活」大宮戦で“もうひとつ上”を掴めるか

カテゴリ:高校・ユース・その他

竹中玲央奈

2017年09月19日

「練習から“そのスピードでできるか?”と思うくらいのスピードで切り替えてやっている」

快進撃の陰の立役者となっている戸嶋のプレースタイルには、チームメイトも大きな信頼を寄せている。写真:竹中玲央奈

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 決して派手さは無いし、どちらかと言えば地味なプレーヤーかもしれない。
 
 天皇杯で快進撃を見せている筑波大は、磐田内定の中野誠也と山形内定の北川柊斗という2人の強力なストライカーを要し、中盤の底には高校選手権でその名を馳せた鈴木徳真という管制塔が君臨する。ジョーカーには大学ナンバーワンドリブラーと言っても過言ではない三笘薫も控える。際立つ個が居並ぶなか、背番号8を背負う戸嶋祥郎のプレーは観衆の目を集めるほどの強烈なインパクトがある訳ではないのは事実である。だが、サッカーをよく知っている者が見れば、“効いている”と分かる彼の存在価値の大きさは明らかである。
 
 浦和ジュニアユースから市立浦和高へ進学した戸嶋は選手権出場を果たし、チームの中心として大会での得点も記録している。ただ、彼が筑波大へ進学したのは一般入試を経て、である。限られたスポーツ推薦の枠でこの国立大学の門を叩いたわけではない。
 
 余談だが筑波大学の推薦枠は「5」であり、決して多いとはいえない。その枠内で進学した選手の中でも最終学年時に絶対的なレギュラーになれるかといえばそうではないし、そう考えるとこの5人の成長に賭けてチームの浮沈の鍵を全て委ねるのはリスクがあるとも言える。その中で少なからず、一般受験組がどれだけトップチームに食い込めるかという点が重要になってくる。現在サガン鳥栖で背番号2を背負う三丸拡も筑波大の出身だが、彼も一般受験組である。「勉強は得意だったので」と、嫌味なく口にしていたのが印象的だ。
 
 戸嶋について話を戻すと、一言で言えば「気が利く」選手である。チームメイト、スカウト、そして現場で誰を取材してもこの言葉が出てくる。
 
 主戦場はトップ下や右サイドだが、前線からの守備を決して怠ることなく、守から攻への切り替えの速さはチーム随一だ。
 
「彼に関しては誰が見ても分かるように攻守の切り替えの部分が優れている。練習から“そのスピードでできるか?”と思うくらいのスピードで切り替えてやっていますし、それに加えて守備において、周りの選手に対して気が利くプレーができる」
 
 チームの得点源である中野誠也も、戸嶋をこう評して、その献身的なパフォーマンスに信頼を寄せている。

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